「狩猟」「畜産」「解体」「消費」をテーマに、4人の女性作家が京都で連続展示

「狩猟」「畜産」「屠畜・解体」「加工・消費」をテーマにした4人の女性作家による展示が、「東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)」(京都)にて開催されている。12月4日までの会期中、4人の作家が順番に展示を行う。

廣田真夕 日記「2016年2月15日」

 2011年に設立した「東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)」は、京都を拠点に芸術家たちの活動を支援し、文化芸術の魅力を発揮することができる環境を追求している。本企画「ALLNIGHT HAPS」は、年間2名の企画者による展覧会シリーズで、HAPSオフィスの1階にて終夜展示を行い、道路からウィンドウ越しに作品を見るというもの。

© 井上亜美

 この企画の前期展示となる本展では、武本彩子をキュレーターとして迎え、約4ヶ月にわたり、「狩猟」「畜産」「屠畜・解体」「加工・消費」をテーマに、4人の作家が持ち回りで作品を展示する。

© 井上亜美

 マタギだった祖父の影響で、自らも狩猟免許を取得している井上亜美は、狩猟現場を映像として記録、編集し、淡々とした猟師の生活を映し出す。井上に引き続き展示を行うのは廣田真夕。養豚場で働いていた経験をもとに、そこでの生活の一場面を切り取った大画面の絵画を発表する。

迎英里子 食肉の流通経路 2014

 自然現象や歴史を調べ、それらを身近な素材に置き換えた装置をつくっている迎英里子は、「屠畜・解体」について調査を行い、インスタレーション及びパフォーマンスとして作品を制作。ラストを飾る札本彩子は、弁当工場での作業経験から、精巧に作られた食品サンプルを大量に用いた彫刻作品を展示する。

 4人の作家が、各々の題材に向き合って制作した作品は、「食べること/つくること/生活すること」をめぐる問いを、見る者に投げかけるだろう。

編集部

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