個展「飛べ、こぶた」で見せる、近藤亜樹の1つの答え

ありふれた日常を描きながらその奥の真理を見つめてきた近藤亜樹の個展「飛べ、こぶた」が、シュウゴアーツで開催される。会期は7月21日〜8月26日。

近藤亜樹 飛び出せ危険 2017 パネルにコラージュ、アクリル、ラッカー 163×147cm © Aki Kondo courtesy of ShugoArts

 近藤亜樹は、1987年北海道生まれ。東北芸術工科大学大学院卒業後は東京に移り、シュウゴアーツで2度の個展(2012年、14年)を開催した。

 在学中に東日本大震災を経験した近藤。日々の生活において体験する鮮烈な感情や記憶をテーマに制作活動を行う彼女は、それ以来、震災にスポットを当てた作品をたびたび制作するようになった。例えば、第7回恵比寿映像祭(2015、東京)及びシュウゴアーツにて上映された映画「HIKARI」は、実写と油彩を組み合わせた、被災者への鎮魂とも言える作品となっている。

近藤亜樹 飛べ、こぶた 2016 パネルに油彩 182×91cm © Aki Kondo courtesy of ShugoArts

 近藤は、サカナクション・山口一郎のDJにのせてライブペインティングを行うなど、音楽業界との関わりも深い。16年の「シュウゴアーツ ウィークエンドギャラリー」(三宿)での個展「Artist」は、こうした体験を反映した作品が好評を博した。

 昨年初めて小豆島を訪れた近藤は、この土地に魅了され、活動拠点を東京から小豆島へ移すことを決めたという。約30点の新作が展示される本展は、そんな近藤が、東京と小豆島を行き来しながら実現させた個展。近藤にとって1つの節目となる本展に注目したい。

編集部

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