鮮やかで新しい視覚世界。加納光於の版画作品が福島に集結

多岐にわたる分野で活動する加納光於の版画を中心とする個展が、福島のCCGA現代グラフィックアートセンターで行われる。会期は2017年6月17日〜9月10日。

加納光於 暁によばれて I 1991〜92 カラーインタリオ 61.2×50.5cm

 1933年に東京に生まれた加納光於は、50年代から現在まで、版画や絵画、立体作品といった分野で活動を続けてきた。なかでも版画の代表作は多く、加納が美術家として最初に挑戦した表現形式でもある。

 加納は、10代の終わりに版画の技法書を偶然手に入れ、独学で銅版画を学んだ。詩人であり美術批評家でもある瀧口修造(1903〜79)から評価され、56年には初めての個展を開催。その後、幻想的なイメージを描いたモノクロのエッチング作品から、防蝕膜に手を加えて描画する「インタリオ」へと展開。生物のようなイメージが描かれた作品は、国内外で称賛された。

加納光於 稲妻捕り PF-No.3 1977 カラーリトグラフ 62×50cm

 その後も新たな版画技法に挑戦しつづけ、メタルプリント、リトグラフなどを駆使しながら、鮮やかな色彩の版画を生み出し続けている。本展では、初期から現在にいたるまで、版画作品を中心に約130点を展示。加納がつくり出す鮮烈な視覚世界を体験してみてはいかがだろう。

編集部

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