1960年代から今日まで、日本を代表する写真家として活躍を続けている荒木経惟。ヌード、東京の街、愛猫など、多岐にわたる被写体を撮影し、現在までに500冊を超える写真集を上梓している。
本展では、今年77歳を迎える荒木が本展に向け制作した新作を展示。また、原点とも言える60年代に制作したスクラップブックなどもまじえ、総数1000点超の壮大なスケールで、その多様な活動を紹介する。
タイトルの「写狂老人A」は、生涯を通じて精力的に制作を続けた葛飾北斎が70代半ばで「画狂老人卍」と号したことになぞらえ、荒木自身を表したもの。自らの「死」と対峙するような経験を経て、「生と死」という長年のテーマがより鮮明に表現されている荒木の最新作を中心に、その広大かつ多様な活動の核心に迫る展覧会となる。