1974年に大阪で生まれ、その後すぐニューヨークへ移住したMADSAKI。ニューヨークにあるパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業したのち、「Barnstormers」という国際的アーティスト集団の一人としての活動。現在は、東京とニューヨークを拠点としている。
MADSAKIは、細密画から巨大なインスタレーションまで、変幻自在なスタイルで活動してきた。2016年8月にHidari Zingaroで開催された個展「HICKORY DICKORY DOCK」では、政治家の肖像画などの社会に溢れるイメージを引用し、挑発的で風刺的なフレーズを作品化して、大きな話題をさらった。MADSAKIは独自の鋭い視点で社会の出来事を観察そして解釈し、見る者にさまざまな事柄を問いかけてくる。
今回は、自身の妻をモチーフとした、私的で自己言及的な作品を発表する。「嫁の絵を描いていて、涙が出てきたけれども、ノズルを取り替えてぶわ〜っと色を噴きつける」。ストリートカルチャーやメッセンジャーの体験、日本とアメリカという2つの国にまたがるアイデンティティーを持つ彼の、移ろいやすい現実を見つめる眼差しとそれに対する反骨精神が見て取れる。MADSAKIの新たな試みに注目したい。