1995年の初演から28年。国内外での上演回数が延べ50回におよぶスターダンサーズ・バレエ団の人気プログラム、バレエ『ドラゴンクエスト』。この作品が8月、3年ぶりに東京で上演されることとなった。また、9月には愛知、来年1月には大阪・山形での初の開催も決定した。
誰もが一度は耳にしたことのあるすぎやまこういち作曲のお馴染みのメロディで幕が上がると、RPGのフィールドに迷いこんだかのような臨場感あふれる世界が舞台上に広がる本作。さらわれた王女を救うべく勇者が悪に立ち向かうという王道ストーリーに、ケチだけどどこか憎めない「武器商人」や、鞭を使いこなす「女戦士」など個性的なキャラクターも登場し、バレエ初心者や子供でも飽きることなく楽しめるのが大きな特徴だ。
作中で使用される音楽は、「序曲」「コロシアム」「そして伝説へ」などドラゴンクエストシリーズⅠ~Ⅵの楽曲に、バレエのための書き下ろし曲を加えた全41曲(すべてすぎやまこういちが作曲)。すべてオーケストラによる生演奏となる。
また2017年にリメイクされた舞台装置と衣裳にも注目だ。デザインを担当したのは、世界のバレエ・オペラ界で活躍し2015年には英国劇場賞(UK Theatre Design Award)最高美術デザイン賞を受賞したディック・バード。日本では、新国立劇場バレエ団が上演しているデヴィッド・ビントレー振付「アラジン」や、Kバレエカンパニー「ラ・バヤデール」などの美術デザインを手がけたことでも知られる英国人デザイナーだ。衣裳はすべてロンドンで製作され、製作陣には映画『スター・ウォーズ』の特殊衣装を手がけたスタッフも名を連ねる。
東京公演では、イギリス、アメリカの名門バレエ団で活躍する注目の兄弟ダンサー、アクリ瑠嘉(英国ロイヤル・バレエ団ファースト・ソリスト)とアクリ士門(ヒューストン・バレエ団ソリスト)のゲスト出演も決定。ドラクエファンだけでなく、ゲームをやったことがない人でも、きっとドラクエの世界に引き込まれることだろう。