これぞ動く彫刻。エイフマン・バレエの日本初演『ロダン〜魂を捧げた幻想』で見る圧倒的な肉体美

ロシアの名門バレエ・カンパニー「エイフマン・バレエ」が、2019年7月に『ロダン〜魂を捧げた幻想』を日本初初演する。彫刻家、オーギュスト・ロダンの人生を描いた本作では、ダンサーたちが表現する彫刻作品にも注目したい。

『ロダン〜魂を捧げた幻想』より Photo by Souheil Michael Khoury

 ダイナミックな身体表現と、登場人物の心理を深く掘り下げる手法で高く評価されるロシアの振付家、ボリス・エイフマン。そのエイフマンが1977年にサンクトペテルブルクに創設したバレエ・カンパニー「エイフマン・バレエ」が21年ぶりに来日、アートファンにとっても見逃せない演目を上演する。

 「エイフマン・バレエ」は、男性なら身長182センチ以上、女性なら172センチ以上という入団条件をパスしたダンサーのみで構成される、世界屈指のカンパニーだ。身体表現を尽くして躍るその姿は世界中で高く評価されており、日本では1990年に初来日を果たしている。

 エイフマン・バレエにとってじつに21年ぶりの来日となる今回、日本初演となる『ロダン〜魂を捧げた幻想』が2019年7月に上演される。

『ロダン〜魂を捧げた幻想』より Photo by Yulia Kudryashova

 『ロダン〜魂を捧げた幻想』は、振り付けと演出の両方をエイフマンが手がけるもので、言わずとしれた彫刻家、オーギュスト・ロダンの人生をたどる物語。

 ロダンとその弟子であり愛人でもあったクローデルによる、創作の場面や、芸術家同士ゆえの葛藤、そしてロダン内縁の妻・ローズを交えた三角関係などが、生身の人間ドラマとして描かれる。

『ロダン〜魂を捧げた幻想』より Photo by Souheil Michael Khoury

 そんな本作のなかでもとくに注目したいのが、ダンサーたちが表現するロダンやクローデルの作品だ。

 劇中では、ロダンの代表作である《地獄の門》をはじめ、《考える人》《カレーの市民》《うずくまる女》などの彫刻作品を、ダンサーたちがその身体によって舞台上でつくりあげていく。鍛え上げられた肉体を持つエイフマン・バレエのダンサーたちだからこそなしえる唯一無二の表現方法。アートとバレエが融合したこの貴重な機会を逃さずチェックしたい。

『ロダン〜魂を捧げた幻想』より Photo by Yulia Kudryashova
『ロダン〜魂を捧げた幻想』より Photo by Yulia Kudryashova
『ロダン〜魂を捧げた幻想』より Photo by Souheil Michael Khoury
『ロダン〜魂を捧げた幻想』より Photo by Souheil Michael Khoury

編集部

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