10月1日は都民の日。観覧無料となる美術館・博物館の展覧会をピックアップ

10月1日は「都民の日」。都立の美術館や博物館で開催されているもので、観覧無料となる展覧会を紹介する。

展示風景より、手前はフィン・ユールによる椅子の作品群

 10月1日は「都民の日」となっており、東京都の営造物や施設の入場料などが毎年無料となる。都立の美術館や博物館も、入場料が無料となる展示があるので紹介したい。

東京都美術館

第1章「デンマークの椅子」の展示風景より、デンマークを代表するデザイナーたちによる数々の椅子が並ぶ

 上野の東京都美術館では、「フィン・ユールとデンマークの椅子」展(〜10月9日)が観覧無料となる。

 本展は、デザイン大国として知られる北欧の国・デンマークの代表的なデザイナーのひとりであるフィン・ユール(1912〜1989)を中心に、デンマークで生まれた椅子をはじめとする家具デザインの歴史と変遷をたどりながら、その魅力を紹介するものだ。

 そのデザインを体感するために名作椅子に座ることができる空間も用意されているのも、鑑賞者としては魅力的だ。

東京都現代美術館

 清澄白河の東京都現代美術館は、所蔵作品を制作年順に展示した2020〜21年の展覧会の続編となる「MOTコレクション コレクションを巻き戻す 2nd」(〜10/16)が観覧無料となる。

 同時期には「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」や、「MOTアニュアル 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」(ともに~10/16)が開催されているのでこちらもあわせて鑑賞したい。

東京都写真美術館

岩井優 経験的空模様 #1 「Control diaries」より 2020 Photo by Shu Nakagawa
© Masaru Iwai Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art

 恵比寿の東京都写真美術館で無料になるのは、「イメージ・メイキングを分解する」(〜10/10)と「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」(〜12/11)の2展覧会だ。

 「イメージ・メイキングを分解する」は、イメージにかたちを与えることを「イメージ・メイキング」と定義。そして、当館の収蔵資料であるそれらのための装置や機器の展覧を通して、「イメージ・メイキング」を新たなものとして再発明してきた作家たちの作品を紹介する展覧会だ。

 「見るは触れる 日本の新進作家 vol.19」は、写真・映像イメージの持つテクスチュア(手触り)を起点に、写されたイメージのみならず、イメージの支持体となるメディアそれ自体への考察をうながす、新進作家たちの試みを紹介する、同館第19回目の展覧会だ。参加作家は水木塁、澤田華、多和田有希、永田康祐、岩井優の5名。

東京都庭園美術館

東京都庭園美術館本館 南面

 白金台の東京都庭園美術館は、現在「旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる」展(〜11/27)が開催中だが、都民の日は庭園のみ無料となる。

 旧朝香宮邸時代から引き継がれている芝庭や日本庭園、2018年に園路や樹木が整備された西洋庭園の3つで構成される庭園は、それぞれの造園に趣向が凝らされていて見どころが多い。1933年に建てられたアールデコ・様式の美術館建築を見ながら、庭園で過ごすのも一興だ。

江戸東京たてもの園

 武蔵小金井の江戸東京たてもの園も、都民の日には無料観覧が可能だ。当園では現地保存が不可能な文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示。また、現在大規模改修工事により休館中である江戸東京博物館の特別展「江戸東京博物館コレクションーー東京の歩んだ道」も開催中だ。

 当日は予約なしで入場することができるため、気軽に足を運んでみたい(混雑時は入場制限あり)。

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