食用となる植物を描いたボタニカル・アート(植物画)の展覧会「おいしいボタニカル・アート ̶ 食を彩る植物のものがたり」がSOMPO美術館で開催される。会期は11月5日~ 2023年1月15日。
ボタニカル・アートとは、薬草学や植物学といった科学的研究を目的として、草花を正確かつ緻密に描いた「植物画」のこと。 17世紀の大航海時代、珍しい植物を追い求めたプラント・ハンターたちの周辺で多くのボタニカル・アートが描かれ、専門の画家も活躍し急速に発展。 18世紀以降になると科学的な目的に加え、芸術性の高い作品も描かれるようになった。
「おいしいボタニカル・アート ̶ 食を彩る植物のものがたり」は、イギリスのキュー王立植物園の協力のもと、野菜、果物はもちろん、コーヒー、茶、カカオ、ハーブ、スパイスなど、身近なものから珍しいものまで、イギリスの食生活に関わる食材のボタニカル・アートを、その文化や歴史的背景とともに紹介するもの。
会場では、ティー・セットやカトラリー等のテーブル・ウェア、古いレシピ(18世紀)、ヴィクトリア朝の主婦のバイブル『ビートン夫人の家政読本』など、イギリスの食に関連した資料も展示される。
例えば、イギリスとリンゴの深い関係、コーヒーがイギリスの金融に果たした役割、喫茶の習慣はどのように広まったのかなど、食に関連するボタニカル・アートを通じて、イギリスの歴史と文化をたどるものになるという。