巨大なモノクロのポートレートを街中に出現させるアートプロジェクトで世界的に知られるJR(ジェイアール)。その代表的な参加型プロジェクト「Inside Out」が、関西で初めて開催される。会期は8月15日~28日。
「Inside Out Project KOBE~WATERFRONT AREA~」と題されたこのイベントは、神戸市と神戸ウォーターフロント開発機構による「神戸ウォーターフロントアートプロジェクト」の第4弾。
JRは17歳のとき、パリの地下鉄で1台のカメラを拾ったことをきっかけに、屋外の建物や通りに巨大な写真を貼る「ペイスティング(Pasting)」の表現を確立する。2004年、ストリートをギャラリーに初めての展示を開催し、パリ郊外の公営住宅に住む若者たちを撮影した「Portrait of a Generation」を発表。20年以上にわたり、パリ周辺のスラム街の建造物から、中東やアフリカの壁面、ブラジルのファヴェーラ(貧民街)まで、世界中の都市で数多くの作品を展開してきた。2011年に「世界を変えるアイデア」に賞をあたえる「TEDプライズ」を受賞。現在はパリとニューヨークを拠点に活動している。
今回行われる「Inside Out Project」は、JRが2011年より始めた参加型アートプロジェクトだ。大都市から紛争地帯と様々な場所で、そこに住む人々のモノクロのポートレートを巨大なポスターとして街に貼り出し、一人ひとりの語られない物語を街に映しだす。あらゆる人が鑑賞可能な壁をギャラリーにするプロジェクトを通して、JRはアートが世界の見え方を変えうることを提示しているという。2011年からの11年間で、世界138ヶ国で44万人以上のポートレートを展示。日本では、2012年に撮影室とプリンターを兼ねたトラックが東日本大震災の被災地を巡回した。
本プロジェクトではまず8月1日に神戸にゆかりのある人々が参加したペイスティングが三宮からウォーターフロントエリアに出現。その後、8月15日からメイン企画である「Inside Out Project KOBE ~WATERFRONT AREA~」が開催される。こちらでは展示会場付近に設置される特設フォトブースにて、一般の方のポートレート(肖像写真)を撮影・印刷し、展示エリアに掲出する。