将来の日本の芸術界を支える人材の育成のため、文化庁は1967年度から若手芸術家が海外の関係機関等での研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(在研)」を実施。美術分野においてそうした成果発表の機会となるのは、1998年から開催されてきた「DOMANI・明日展」だ。
2022年度で第25回目を迎える本展は、11月19日〜2023年1月29日の会期で国立新美術館で開催。テーマは「百年まえから、百年あとへ(仮題)」。
昨年度の第24回はコロナ禍の影響により東京での一括開催は実現できなかったものの、京都、水戸、広島、愛知、石巻の5会場で展開。今年は約2年ぶりの国立新美術館での開催となり、これまでに同館での「DOMANI・明日展」で本格的に取り上げることができていない、キャリアの豊かな作家3名と、比較的近年に在研を終えた清新な作家6名、さらに同展史上初の同館2度目の参加となる近藤聡乃の作品を紹介する。
参加作家は以下の10名。伊藤誠、丸山直文、小金沢健人、近藤聡乃、大﨑のぶゆき、北川太郎、石塚元太良、池崎拓也、黒田大スケ、谷中佑輔。
1923年に首都圏を見舞った「関東大震災」から百年目の年に東京で開催される企画として、「ゆれる/ゆらぐ地面、制度、価値観」という視点から、コロナ禍後の次代の人材育成や美術界のあり方を考えるという。
なお令和4年度新進芸術家海外研修制度(短期研修・後期)と令和5年度研修の公募も受付中。それぞれの締切は8月16日と8月23日となっている。
コロナ禍により閉塞状態となっているアートシーン。これから海外での研修を志望する作家たちにぜひこれらの公募をチェックしてみてほしい。