「シアターコモンズ’22」がリアルとリモートで開催。7つのプログラムと2つのフォーラムを展開

今年で第6回となる「シアターコモンズ’22」がプログラム全容を発表した。「非同期することばたち - Unsynchronized Voices」をテーマに、演劇公演、レクチャーパフォーマンスなど7つのプログラムと2つのフォーラムをリアルとリモートの両方で展開する。会期は2月19日〜27日。

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 演劇の「共有知」を活用し、社会の「共有地」を生み出すプロジェクト「シアターコモンズ」。その第6回のプログラム全容が発表された。

 今回のテーマは「非同期することばたち - Unsynchronized Voices」。2月19日〜27日の会期で、演劇公演、レクチャーパフォーマンス、体験型アート、小学生とその保護者を対象としたワークショップなど、7つのプログラムと2つのフォーラムがリアルとリモートの両方で展開される。

 ディレクターの相馬千秋はステートメントで、「すでに3年目に突入したパンデミックは、世界中を「強制同期」し続けている」としており、「パンデミックの強制同期をすり抜け、それぞれの戦略のもと『非同期することばたち』を編み上げ続けているアーティストとその作品を媒介に、この終わりなき困難な時代と向き合う」ことを目指すという。

 参加アーティストは、キュンチョメ、ボーハールト/ファン・デル・スホート、市原佐都子、シュウ・ツェユー、モニラ・アルカディリ&ラエド・ヤシン、佐藤朋子、Reframe Labなど。日常生活や都市空間のなかで「演劇をつかう」こと、すなわち演劇的な想像力によって、異質なもの、複数の時間が交わり、特別な対話や発見をもたらすことが期待されている。

 アーティストユニット・キュンチョメは、主に男性によって記されてきた「世界の終焉」を様々な職業や立場の女性が描き出す配布型アート作品《女たちの黙示録》を発表。岸田國士戯曲賞を受けた劇作家・市原佐都子は、自身の代表作のひとつである『妖精の問題』を再創作したDX版を東京初上演する。

キュンチョメ 女たちの黙示録
市原佐都子 妖精の問題 デラックス

 台湾の新世代アーティスト、シュウ・ツェユーは代表作と新作の上映プログラムに加え、動物/人間の接触面をめぐるリサーチプロジェクトも始動。ともに中東アラブ世界出身のモニラ・アルカディリ&ラエド・ヤシンは、彼ら自身と飼い猫の頭部を模した3体のロボット人形劇を発表し、『ゴジラ』や如月小春の戯曲を引用し昨年好評を博した佐藤朋子は、1957年に岡本太郎が記した都市論「オバケ東京」を出発点とし、「オバケ」に象徴される非人間的な存在をも招き入れ新たなレクチャーパフォーマンスを展開する。

シュウ・ツェユー 彼・此―かれ/これのこと 
モニラ・アルカディリ 吊り狂い © Frederic Duval
佐藤朋子 オバケ東京のためのインデックス 第一章 ©︎ シアターコモンズ ’21 撮影=佐藤駿

 また、オランダを拠点に活躍するアートユニット・ボーハールト/ファン・デル・スホートは、睡眠と夢見による治癒=インキュベーションする、レクチャーパフォーマンスをオンラインで行う。アート、教育、医療、福祉をつなぐプラットフォームReframe Labはシアターコモンズとともに、子どもの視点から「あそび」を開発するワークショップを共同でつくる。

ボーハールト/ファン・デル・スホート 動かない旅 Image by Rodrik Biersteker
Reframe Lab 名もなきあそびをつくるワークショップ 撮影=ただ(ゆかい)

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