皇室に伝えられた品々を収蔵する宮内庁三の丸尚蔵館の名品・優品約90件で日本美術をわかりやすく紹介する特別展「日本美術をひも解く─皇室、美の玉手箱」が、8月6日〜9月25日に東京藝術大学大学美術館で開催される。
様々な人たちに大切に守られ、日本美術の歴史を語ってきた多種多彩な作品。代々日本の文化の中心に位置して美術を保護・奨励してきた皇室が伝えてきた多くの優品は、そのなかで特筆すべき重要な存在だ。
また、1890年の東京美術学校(現・東京藝術大学)において岡倉天心が行った日本美術史の講義では、日本の美術史が最初に体系的にまとめられたとされている。
そんな両者のコラボレーションによる本展では、美術の理解を深めるという原点に立ち返り、鑑賞者が最初に見る、作品のかたちやモチーフに焦点を当てる。
平安時代三跡のひとり・小野道風の《屏風土代》、鎌倉時代の名品・やまと絵の集大成として名高い絵巻《春日権現験記絵》と元寇の様子を描いた絵巻《蒙古襲来絵詞》、安土桃山時代を代表する狩野永徳筆《唐獅子図屏風》、江戸時代の絵師・伊藤若冲の代表作《動植綵絵》といった、昨年宮内庁三の丸尚蔵館の収蔵品として初めて国宝に指定された5件の作品が初めて一堂に公開される。とくに《動植綵絵》は、芍薬群蝶図、梅花小禽図、向日葵雄鶏図、紫陽花双鶏図、老松白鶏図など10幅がまとめて展覧されるという貴重な機会だ。