神奈川・箱根町のポーラ美術館が2022年の企画展スケジュールを発表した。約30億円で落札されたゲルハルト・リヒターの作品も初公開される。
ポーラ美術館は2022年で開館から20周年を迎える。これを記念して2022年は「モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」と、没後50年となるピカソの画業を振り返る「ピカソ 青の時代を超えて」を開催する。
「モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」(2022年4月9日~9月6日)の目玉は、10月6日に香港で行われた現代美術のイブニングセールにおいて、約30億円でポーラ美術館が落札したリヒターの《抽象絵画(649-2)》(1987)だ。同作は、アジアにおけるオークションで落札された欧米作家作品の過去最高額となったことでも話題を集めた。
同展は主要なテーマを「光」とし、モネや印象派の画家たちと、リヒターをはじめとする現代の作家たちの作品に共通する、光への強い関心を紹介。同館のコレクションの現在形を見せるとともに、美術館の未来とコレクションの可能性を探る展覧会となる。
おもな出展作家は次のとおり。ベルト・モリゾ、クロード・モネ、ヴィルヘルム・ハマスホイ、アンリ・マティス、フェルナン・レジェ、モーリス・ルイス、ドナルド・ジャッド、ジョアン・ミッチェル、ゲルハルト・リヒター、ケリス・ウィン・エヴァンス、関根正二、松本竣介、斎藤義重、白髪一雄。
「歿後50年 ピカソ 青の時代を超えて」(2022年9月17日~2023年1月15日)は、これまでポーラ美術館とひろしま美術館が、バルセロナ・ピカソ美術館の協力により深めてきた作品研究をもとに、ピカソの絵画制作のプロセスに焦点を当てる共同企画展だ。
両館の絵画コレクションのほか、国内外の貴重なコレクションを借し、ピカソの創造の軌跡に肉薄。ピカソの原点である「青の時代」から、実験的なキュビスムの探究、さらに円熟期から晩年にいたるまで、91年の生涯を通して旺盛な制作意欲を絶やすことのなかったピカソの道程をたどる。