ヨーロッパの古典絵画を数多く収蔵しているドイツのドレスデン国立古典絵画館。そのコレクションから17世紀オランダ絵画の名品を紹介する展覧会「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が、2022年1月22日〜4月3日に東京都美術館で開催される。
本展の注目作品は17世紀のオランダ絵画の巨匠ヨハネス・フェルメールの《窓辺で手紙を読む女》。窓から差し込む光の表現、室内で手紙を読む女性像など、フェルメールが自身のスタイルを確立したといわれる初期の傑作だ。
本作は、1979年のⅩ線調査で壁面にキューピッドの描かれた画中画が塗り潰されていることが判明し、長年、その絵はフェルメール自身が消したと考えられてきた。しかし、2017年の調査により、フェルメール以外の人物により消されたことが新たにわかり、翌年から画中画の上塗り層を取り除く修復が開始。2019年5月には、キューピッドの画中画が部分的に現れた修復途中の作品が記者発表にて公開された。
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本展では、この修復過程を紹介する資料とともに、大規模な修復プロジェクトによってキューピッドが完全に姿を現した《窓辺で手紙を読む女》の当初の姿を、所蔵館であるドレスデン国立古典絵画館での披露に次いで世界初めて公開する。
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また、フェルメールに加え、ドレスデン国立古典絵画館が所蔵するレンブラント、メツー、ファン・ライスダールなど、17世紀オランダ絵画の黄金期を彩る珠玉の名品約70点もあわせて展示予定となっている。