こけら落としは三島喜美代の半生をたどる個展。TERRADA ART COMPLEX Ⅱに新ギャラリー「SOKYO ATSUMI」がオープン

東京・天王洲のTERRADA ART COMPLEX Ⅱに新たなスペース「SOKYO ATSUMI」がオープン。こけら落としは三島喜美代の半生をたどる個展「三島喜美代個展:1950年代から2021年まで」。

SOKYO ATSUMIの展示イメージ courtesy of Ivan Pazos

 7月14日、東京・天王洲のTERRADA ART COMPLEX Ⅱに「SOKYO ATSUMI」がオープンする。これは、京都の「現代美術 艸居」や「艸居Annex」、ポルトガルの「艸居リスボン LDA」を展開する艸居が手がける新たなスペースだ。

SOKYO ATSUMIの展示イメージ courtesy of Ivan Pazos

 「SOKYO ATSUMI」のオープニングを飾る展覧会は「三島喜美代個展:1950年代から2021年まで」。1971年に「割れる印刷物」と評される陶の作品を発表した三島は、《Package》(1971)で⽇本陶芸展に⼊選、アメリカやカナダにも巡回し国内外で高い評価を得た三島は、開催中の「アナザーエナジー展」(森美術館)への出展や、《Printed Pipes-75》のポンピドゥ・センターへの収蔵パリ市⽴近代美術館でのグループ展「The Flames. The Age of Ceramics」への出展など、近年、国内外でさらに評価が高まっている。

SOKYO ATSUMIの展示イメージ courtesy of Ivan Pazos

 今回の個展で三島は初期作品《Work 12-C2》や、Boxシリーズの《Box Sunkist 20》《Box Coca Cola 21-2》を展⽰。「割れる印刷物」の現在のかたちを⽰す。

三島喜美代 Work 12-C2 2012 印刷したセラミックに手彩色・銅 74×64×64cm
三島喜美代 Box Coca Cola 21- 2 2021 印刷したセラミックに手彩色 27×33×24cm

 また、三島は陶の作品のみならず、廃棄された⾦属や⽊⽚などを組み合わせた⽴体作品も制作してきた。⼟岐市と大阪・⼗三にあるアトリエに蒐集されたドラム⽸や⽊⽚などを素材につくられた《Work 21-B》《Work 21-B2》なども紹介される。

三島喜美代 Work 21-B 2021 鉄、木、シラス 67×51×60cm

 さらにゴミを高温で熱したガラス状の粉末「溶融スラグ」を使用してつくられた、少年マンガ誌をモチーフとした巨⼤なコミックブックの作品《Comic Book 03-1》《Comic Book 03-2》も見ることができる。

三島喜美代 ComicBook03 (ComicBook03-1) 2003 溶融スラグに手彩 34×123×92cm

 加えて今回の個展のハイライトと言えるのが、1950年代から60年代に制作された未発表の絵画作品だ。50年代の荒々しい絵肌の油彩画や、暗い色調の新聞紙のコラージュ作品など、三島の初期の活動を知ることができる貴重な作品が出そろう。

三島喜美代 無題 1957 キャンバスに油彩 163×114.5cm
三島喜美代 作品68-A 1968 合板に新聞、雑誌、アクリル 182×223.4cm

編集部

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