長谷川祐子が監修、次世代キュレーターたちが現実の「ふたしかさ」を見つめる展覧会

3月18日より東京藝術大学大学美術館陳列館(上野)にて、「Seize the Uncertain Day─ふたしかなその日」展が開催される。同校でキュレーションを学ぶ学生たちが企画する展覧会。

鷲尾和彦 金華山 宮城県石巻市(2011年7月18日)「To the Sea」シリーズより ©Kazuhiko Washio

 2016年、東京藝術大学大学院に、日本の国立大学初のキュレーション課程である国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻が新設された。本展は、同専攻キュレーション領域に在籍する学生7人が、教授を務める長谷川祐子の監修のもと、演習の一環として共同でキュレーションを行う企画展となる。

「Seize the Uncertain Day─ふたしかなその日」と題された本展では、昨今の不安定な社会状況のなかで、フィクションや神話が担ってきた役割を果たすものとしての「ドキュメンタリー」に着目。ジャーナリズムとは異なり、主観的な立場から世界を映し出す「極私的ドキュメンタリー」の手法を用いた作品を紹介する。

 出品作家は、荒木経惟、川内倫子、川久保ジョイ、久門剛史、森山大道ら。「極私的ドキュメンタリー」が出現した1970年代と現代の作品を併置し、「ふたしか」な現代社会に向き合うさまざまな視点を参照しながら、同時代の世界と表現のありようを考える。

編集部

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