1961年ブラジル・サンパウロ生まれのパウロ・モンテイロは、83年にブラジル絵画の復興を目指した新表現主義のグループ「Casa 7」を創設。現在もサンパウロを拠点に活動し、ブラジルのアートシーンの中心人物として活躍している。
85年には「サンパウロビエンナーレ」に参加。ブラジル国内のみならず、近年では、15/16年に個展「The inside of distance」(Mendes Wood、サンパウロ/Office Baroque、ブリュッセル)、15年にグループ展「Empty House Casa Vazia」(Luhring Augustine、ニューヨーク)など、世界各地の展覧会にて作品を発表している。
モンテイロの作品は、彫刻、ペインティング、ドローイングといった、異なる形態の作品を調和させて一つの世界観を表現するといった特徴がある。彫刻は素材に反した動きを見せ、ペインティングは色の移動や表面の凹凸の存在によって物質的になり、ドローイングは線の動きの偶然性を追求している。これらは個別の作品として切り離すことはできず、作品たちはそれぞれ運動性や空間的なスケール感を帯び、全体として密接な関係性を互いに生み出しているようだ。
小山登美夫ギャラリーとMISAKO&ROSENで同時開催となる本展では、彫刻、ペインティング、ドローイング作品など、新作を含む大小さまざまな作品を各会場にて展示。今回が満を持しての日本初個展となる。