ユニークな空間に示される不可視の存在。津田道子が個展「トリローグ」で新作を発表

津田道子の個展「トリローグ」が、東京・六本木のTARO NASUで開催。マウントフジアーキテクツ設計の個性的な展示空間で新作インスタレーションを展示する。会期は7月10日〜8月8日。

Installation view at in number, new world at Ashiya City Museum of Art and History

 映像原理の論理的な探求をテーマに、メディアの特性を顕在化させる空間演出とパフォーマーとの共同作業による作品を手がける津田道子。その個展「トリローグ」が、東京・六本木のTARO NASUで開催される。会期は7月10日〜8月8日。

 人々にとって、存在の実感を支える重要な要素となる空間と時間の感覚。津田は、空間把握と時間把握にかかわる知覚の操作によって人間の認識能力の危うさや、その危うさゆえに垣間見ることのできる幻想の豊饒さについて考え続けてきた。

 津田作品の特徴は、鑑賞者をいわば「共犯者」として展示の要素に取り込むインスタレーション。つねに鑑賞者の視線と動作によって揺らぎ続ける不可視の存在を示唆するその作品は、変化し続ける仮想空間の「記憶」を「記録」としてとらえるための装置として機能する。

 本展では、マウントフジアーキテクツ設計の個性的な展示空間で新作インスタレーションを展示。鏡や映像、テキストピースなど、これまで津田が好んで用いてきた素材を組み合わせた内容だ。今回の展覧会タイトルに込められた「三者対話」という言葉の意味について深い洞察を誘う、参加型・体験型の新作展示が予定されている。

編集部

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