政治史などをテーマに映像作品や展覧会キュレーション、レクチャーを手がけてきたオトリスグループは、アンジャリカ・サーガーとコドヴォ・エシュンにより2002年に設立され、ロンドンを拠点に活動している。2010年にはターナー賞にノミネートされ、サンパウロ・ビエンナーレ(2010年)、ドクメンタ13 (2012年)、光州ビエンナーレ(2016年、光州)など、多数の国際展に参加しており、本展は、グループの代表作をまとめて紹介する日本初の企画となる。
オトリスグループの映像作品は、大衆メディアの記録映像から子ども向けアニメーションまで多様な素材を用い、ときに架空の物語と対置しながら、世界の過去と未来や、それらに対する集団的記憶にアプローチする。今回は4日間にわたり、仮想未来から南アジアの文化史・政治史を考察する3部作と、ジャン=リュック・ゴダールの『中国女』(1967)を引用した《コミュニスト・ライク・アス》(2010)、福島第一原発事故を扱った映像作品《ザ・ラディアント》(2012)を上映。SF的な設定を用いながら、地球規模で政治史や社会問題を見つめ直す。
なお本イベントは、昭和初期のプロレタリア映画運動を主導したグループ、日本プロレタリア映画同盟へのオマージュとして、政治史とドキュメンタリーの関わりを概観する企画「アサクサスクリーニングシリーズ」の一環としての企画。2月18日より毎週土曜日の開催となる。ギャラリーのホームページより席の予約が可能。