鄭波(ジェン・ボー)の個展「Dao is in Weeds」が京都で開催。より良い生態学的未来とすべての種における平等を考える

中国のソーシャリー・エンゲージド・アートにおいて注目を集めるアーティストのひとり、鄭波(ジェン・ボー)の個展「Dao is in Weeds 道在稊稗/道(タオ)は雑草に在り」が、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで開催される。会期は6月1日〜7月15日。

鄭波(ジェン・ボー) Pteridophilia 1 2016

 鄭波(ジェン・ボー)は1974年北京生まれのアーティスト。99年にアメリカ・マサチューセッツ州のアマースト大学コンピューターサイエンス学部を卒業後、2005年に香港中文大学の修士課程、12年にはロチェスター大学ビジュアル文化学の博士課程を修了した。現在は香港を拠点としている。

 アーティストとしてのみならず研究者や文筆家としても活動するジェンの作品は、地域の歴史についての緻密な調査から出発するリサーチベースのもの。社会的に周縁化された集団や雑草などを用いて、史実や社会現象などから未来を考察するその作品群は、学術的かつ重層的な構造を持つだけでなく視覚的な美しさもあわせ持つ。

 近年では「第11回台北ビエンナーレ」(台北市立美術館、2018)や「マニフェスタ 12」(パレルモ、イタリア、2018)、「第11回上海ビエンナーレ」(上海当代美術博物館、2016)などの国際展にも参加するなど、精力的に活動を行っている。

鄭波(ジェン・ボー) Pteridophilia 1 2016
鄭波(ジェン・ボー) Survival Manual II(Hand-Copied 1945 “Taiwan’s Wild Edible Plants”) 2016

 そんなジェンの個展「Dao is in Weeds 道在稊稗/道(タオ)は雑草に在り」が、京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで開催される。本展を開催するにあたってジェンは、19年1月と3月の2回にわたって京都での滞在調査を実施。

 本展では、そのリサーチをもとにした京都市立芸術大学の移転予定地・崇仁地域(京都駅東部エリア)でのプロジェクトを中心に、より良い生態学的未来とすべての種における平等を考えるための新作インスタレーションが披露される。

編集部

Exhibition Ranking