石田尚志が見せる「孤上の光」。青森公立大学国際芸術センター青森の個展で、初の彫刻作品を発表

「ドローイング・アニメーション」の手法を用いた映像やインスタレーションで知られる石田尚志。青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)でアーティスト・イン・レジデンスを行った石田が今回、同館で個展「弧上の光」を開催する。会期は4月20日〜6月16日。

石田尚志 絵と窓の間 2018 Courtesy of Taka Ishii Gallery

 石田尚志は1972年生まれのアーティスト。線を一コマずつ描いては撮影し、そのコマをつないで映像にする「ドローイング・アニメーション」の手法を用いた作品で知られている。これまで映像作品のほか、インスタレーションやパフォーマンスを表現の中心に活動してきた。

 近年は「絵と窓の間」(タカイシイギャラリー、2018)、「石田尚志 渦まく光」(横浜美術館、2015)などの個展を開催。また「あいちトリエンナーレ」(2016)、「茨城県北芸術祭」(2016)といった芸術祭にも参加している。

石田尚志 リフレクション 2009 Courtesy of Takashi Ishida

 そんな石田が、アーティスト・イン・レジデンスで滞在した青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)で、個展「弧上の光」を開催する。

 安藤忠雄が「見えない建築」をテーマに手がけた同館。円形を基軸に設計され、ギャラリーは弧を描いた特徴的な空間となっている。今回、石田はこのギャラリー空間の弧形を活かしたインスタレーションを行う。

石田尚志 浜の絵 2011 Courtesy of Takashi Ishida

 本展で石田は、このギャラリー空間の構造と光を取り込みながら滞在制作したドローイング・アニメーションの新作を発表する。加えて平面を曲線で切り出し組み合わせた、石田にとって初の試みとなる彫刻作品も展示される。

 ひとつの線から生まれ、絵と映像、光と影、時間と空間など、様々な次元を旅するような作品を手がけてきた石田。本展では新たに「弧」というモチーフが導入され、それぞれの作品が共鳴するような空間を見ることができるだろう。

編集部

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