2019.3.3

『スイミー』が日本にやってくる。ひろしま美術館で開催の「みんなのレオ・レオーニ」展で、レオーニの創作世界をめぐる旅へ

『スイミー』や『フレデリック』などの絵本で知られるレオ・レオーニ。その絵本作家としての活動のほか、アート・ディレクターの仕事から絵画、彫刻作品までを幅広く紹介する展覧会「みんなのレオ・レオーニ」展が、ひろしま美術館に巡回する。会期は4月20日〜6月2日。

レオ・レオーニ スイミー 1963 Swimmy © 1963 by Leo Lionni, renewed 1991/Pantheon On Loan By The Slovak National Gallery
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 『スイミー』などの絵本で知られる絵本作家、レオ・レオーニ(1910~99)の仕事を紹介する展覧会「みんなのレオ・レオーニ」が、ひろしま美術館に巡回する。

 レオーニは1910年、オランダ生まれ。イタリアで暮らしていたが第二次世界対戦中にアメリカに亡命し、ニューヨークでイラストレーター・グラフィックデザイナーとして成功を収める。その後の59年、孫のために制作した『あおくんときいろちゃん』で絵本作家としてデビュー。99年にイタリアで亡くなるまでに、40冊近くの絵本が発表されている。

レオ・レオーニ フレデリック 1967 Frederick ⓒ 1967,renewed 1995 by Leo Lionni/Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

 レオーニはこれまで、ねずみの『フレデリック』や、しゃくとりむしの『ひとあしひとあし』など、小さな主人公たちが「自分とは何か」を模索し自分らしく生きることを学ぶ物語を、水彩、油彩、コラージュといった様々な技法を用いて描いてきた。

レオ・レオーニ アレクサンダとぜんまいねずみ 1969 Alexander and the Wind-up Mouse ⓒ 1969,renewed 1997 by Leo Lionni/Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family

 ヨーロッパとアメリカを移動し続けたレオーニの生涯を、作品の数々と重ね合わせながらたどる本展。絵本作家、アート・ディレクターとしての仕事、絵画や彫刻など幅広い活動を約200点で紹介し、レオーニが子供の絵本にはじめて抽象表現を取り入れるに至った道筋にも光を当てる。

 なお本展では、幻とされた『スイミー』のスロバキア国立美術館所蔵の原画計5点も展示。絵本の絵とは少し異なる、レオーニの手によって描かれた原画をこの機会に楽しんでみてはいかがだろうか。

レオ・レオーニ マシューのゆめ 1991 Matthew’s Dream ⓒ 1991 by Leo Lionni/Knopf Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family