キャンバスに現れる、意図と偶然性の融合。大庭大介の個展がガトーフェスタ ハラダ 本社ギャラリーで開催中

特殊なパール系の絵具を使い、光の移ろいや鑑賞者の位置によって表情を変える絵画を制作してきた大庭大介。その個展が、群馬・高崎市のガトーフェスタ ハラダ 本社ギャラリーにて開催されている。会期は2月3日まで。

大庭大介 WAVE 2018 PHOTO:OMOTE Nobutada Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE

 大庭大介は1981年生まれ、2007年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。これまで、偏光パールのアクリル絵具を用いた独自の方法論で、光の条件によってイメージや色彩が変化し続ける絵画を手がけてきた。

 最近の主な展覧会に「大庭大介 個展」(SCAI THE BATHHOUSE、2017)、「かけがわ茶エンナーレ」(掛川市二の丸美術館、2017)、「THE ECHO」(群馬シティギャラリー、2016)、「白の表現力~現代のコレクションから~」(静岡県立美術館、2015)などがある。

 昨年の個展では、新たに出会ったホログラム顔料を用いたシリーズを発表。錯視的なモチーフや幾何学的なパターンを刻みながら、自作の長いスキージによる一回性のストロークを繰り返して制作を行い、メカニカルな光の運動と、作家自身の身体性や偶然性を両立させた。

 大庭は「私は“関係、光、次元、行為”について“偶然性”を手掛かりに、“物と像”の関係を並列的に横断する」と語る。本展では、過去のシリーズを交えて新作を発表。意図と偶然性のあいだを探り、描き続けてきた作家の新たな試みを見ることができるだろう。

編集部

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