日本の伝統的な色の足跡(あと)を探して。流麻二果が個展で新作の絵画を発表

鮮やかで淡い色彩による絵画で知られる画家・流麻二果の個展「色の足処 / The Colors Have Gone Through」が、東京・天王洲のユカ・ツルノ・ギャラリーで開催される。会期は11月22日~12月22日。

流麻二果 色の跡:和田三造「南風」 / Traces of Colors: Sanzo Wada “South Wind” 2018 撮影=加藤健

 流麻二果(ながれ・まにか)は1975年生まれ、97年女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻卒。主な展覧会に「絵画を抱きしめて」(資生堂ギャラリー、2015)、「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.05『見えてる風景/見えない風景』」(高松市美術館 、2016 )などがある。

 最近は子供向けワークショップやコンテンポラリーダンサーとのコラボレーションプロジェクトなど、多面的な制作を進めてきた流。しかし今年3月のポーラ美術館での個展「色を追う/ Tracing the Colors」をきっかけに、再び油絵による光の色彩表現と向き合いはじめたという。同展では、印象派における色彩を追体験しながら、それを新たに解釈し再構成するかたちで作品を発表した。

流麻二果 ひねり/ A Sudden Twist 2016 撮影=木奥恵三

 それを踏まえて開催される本展で、流は日本近代画家における色彩に注目。流の血縁にあたり、日本の色彩研究に尽力した和田三造の《南風》(1907)に着想を得て、和田が規定した「日本の伝統色」がいかに日本文化に内在するのかを探求した新作を発表する。

流麻二果 色の跡:クロード・モネ「睡蓮の池」/ Traces of Colors: Claude Monet “Water Lily Pond”
2018 撮影=加藤健

 なお現在、流は中川ケミカル 色彩研究室との共同WEBプロジェクト「日本の色」を進行中。インタビューやリサーチを通して現代の「日本の色」を探求する同プロジェクトのウェブサイトが、本展の開催に合わせて公開されている。

編集部

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