EXHIBITIONS

山谷佑介「Doors」

山谷佑介 SD_0415(部分) 2018 © the Artist Courtesy Yuka Tsuruno Gallery

山谷佑介 SD_0415 2018 © the Artist Courtesy Yuka Tsuruno Gallery

山谷佑介 「The doors」(Gallery Yamatani、2018) Courtesy Yuka Tsuruno Gallery

山谷佑介 77 YAMATANI 2018 Courtesy Yuka Tsuruno Gallery

 山谷佑介は1985年新潟県生まれ。長崎で出会った東松照明や無名の写真家との交流を通して写真を学ぶ。これまで、スケーターや不良など夜の街に集う若者を撮影した《Tsugi no yoru e》や、ライブハウスの床に写真を貼り、その上でライブに興じる人々を記録した《ground》など、様々な角度から写真にアプローチし、現代社会と個人の狭間を写しとる作品で注目されてきた。

 前作《Into the Light》では、東京郊外の深夜の住宅街を赤外線カメラで撮影し、日常の不可視な側面へ歩みよることを試みた。暗闇に佇む住宅の前でフラッシュを放つ撮影は、自らの「撮る」という行為を強く意識させ、初のセルフポートレイト《The doors》を制作するきっかけとなる。

 2018年、山谷の企画によって神出鬼没に現れる「ギャラリー山谷」(京都)で《The doors》を発表。暗闇の会場で、作家が10代の頃から続けているドラムを使ったパフォーマンスを行い、パフォーマンスの間に撮影・印刷された写真が空間を埋め尽くす一連の流れは、人間の意識や物事への眼差しの複雑さを浮かび上がらせた。

 本展はパフォーマンス作品《The doors》から展開されたもの。新たなパフォーマンスとともに、《The doors》で撮影された映像や出力されたセルフポートレイト、そしてパフォーマンスの痕跡ともいえるドラムヘッドの傷からつくられたフォトグラムを展示し、6月9日と7月7日には作家によるパフォーマンスを行う。