これまでに「奈良美智 for better or worse」(2017)、「フランシス・ベーコン展」(東京国立近代美術館との共同企画、2013)などを企画してきた豊田市美術館学芸員・鈴木俊晴をゲストキュレーターに迎え、Yutaka Kikutake Galleryが「絵画」をテーマとしたグループ展を開催する。
本展は、同ギャラリーで2017年に開催した「Primal Reverberation」に続き、今日における絵画の根源的なあり方を問う企画。杉山卓朗、花木彰太、本山ゆかりの3名が参加する。
人間の視覚能力に訴える立体的な平面作品を制作する杉山と、絵画を純粋に描き、絵と鑑賞者との間に示される関係性を追求する花木。そして主観や描かれる対象物の情報を削ぎ落とし、最低限の要素である「線」のみで表現する本山。この3名の共通点は、その手法において絵画の諸要素をできるかぎり厳密に取り扱おうとすることだ。
言語は人間の内と外を接続するひとつの手段であるとすると、絵画は何と何を接続するのか? 絵画の内側と外側にカッコをつけた展覧会タイトル「paint ( ) ings」が示すように、内側と外側のせめぎ合いのうちに現れるそれぞれの絵画に注目したい。