100年の歴史を持つ染工場の技術を目撃する。「伊勢型紙・江戸小紋の世界」展が表参道・EYE OF GYREにて開催中

伊勢型紙に焦点を当てた展覧会「亜空間として形成する 伊勢型紙・江戸小紋の世界 長坂常(建築家)×廣瀬雄一(江戸小紋職人)」が、東京・表参道のEYE OF GYREで開催されている。会期は8月26日まで。

展示会場

 アール・ヌーボーやリバティ・プリントにも影響を与えたとされる「伊勢型紙」。そのデザインには、伝統的な幾何学的なものから、花鳥風月を象徴化したもの、江戸の人々の現実感覚や遊び心を映し出したものまで無数のバリエーションがある。

 そんな伊勢型紙に焦点を当て、100周年を迎える廣瀬染工場の伝統的技術によって染め上げられた反物や着物を展示し、現代に蘇らせる展覧会「亜空間として形成する伊勢型紙・江戸小紋の世界 長坂常(建築家)×廣瀬雄一(江戸小紋職人)」が、表参道のGYREで開催中だ。

 1919年創業「廣瀬染工場」の4代目である廣瀬雄一は、ストールのブランド「comment?(コモン)」を立ち上げるなど、「伊勢型紙」と、それによって生まれる「江戸小紋」の魅力を国内外に広く伝えている。 

 そんな廣瀬とタッグを組む建築家・長坂常は、スキーマ建築計画代表。仕事の範囲は家具から建築まで幅広く、どのサイズにおいても実物大を意識した設計を手がけている。長坂は日常にあるもの、既存の環境の中から新しい視点や価値観を見出し、「デザインを通じてそれを人々と共有したい」と語る。

 本展では、江戸小紋の二次元空間に包摂されているミクロの多元的な世界観を長坂常とのチャレンジングなコラボレーションによって、通常の物理法則が通じない時空連続体とも言われている「亜空間」を創出することを試みるという挑戦的な内容だ。ぜひ実物を見に、足を運びたい。

編集部

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