2018.7.6

写真家・川島崇志が
個展「doorgang / 通路」を開催。
鑑賞者が見抜けないイメージは
どこへつながっていくのか?

写真家・川島崇志の個展「Doorgang / 通路」が東京・恵比寿のG/P galleryで開催される。本展は、川島にとってアムステルダムからの帰国後初の個展。また、静岡・浜松のAMS galleryでは、川島の過去の3つの個展を再構成した展覧会「Re : collection」も同時開催。会期は7月6日〜8月11日。

川島崇志 無題 2018 ©Takashi Kawashima, Courtesy of G/P gallery, Tokyo

 川島崇志は1985年宮城県生まれの写真家。2011年に東京工芸大学大学院芸術学研究科博士前期課程メディアアート専攻を修了。

 近年は、写真が大きく変革するなかで、自身の故郷で東日本大震災が起こったことを契機とし、ストーリーテリングを方法論に組み込んだ作品を制作。その写真映像素材、ファウンドフォト、自動演算による画像合成、3DCG、立体作品、文学作品からの引用テキストなど、多様なメディアを交えた大型インスタレーションを展開している。

 これまで11年にArt Award Tokyo Marunouchi 審査員賞、12年にTokyo Frontline Photo Award グランプリを受賞し、15年には写真集『New Coast, and a Fragment Over a Woman(新しい岸、女を巡る断片)』が第18回文化庁メディア芸術祭アート部門審査員会推薦作品へ選出されるなど、注目を集める。

 G/P galleryでは過去に2度の個展を開催しているほか、「Jimei x Arles East West Encounters International Photo Festival」(廈門、中国、2015)など国際的な写真フェスティバルにも参加。16年からは約1年半、アムステルダムに拠点を移し、オランダとロンドンでの展覧会を行った。

 そして今回開催される「doorgang / 通路」展は、川島にとって帰国後初の個展。また、静岡・浜松のAMS galleryにて、作家が過去に開催した3つの個展を再構成した『Re : collection』展も同時開催される。

 本展のキービジュアルに設定されている男性の写真は、川島がアムステルダムで過ごすなかで、混血のオランダ人に「ピュアダッチ(=純粋なオランダ人)」の要素を探し出して撮影したというフィクショナルなポートレート。鑑賞者に見抜くことができないだろう「予感」の要素のみで構成される新作に期待したい。