桜の名所で名画を楽しむ。
東京国立近代美術館で
「美術館の春まつり」開催

都内有数の桜の名所、皇居や千鳥ヶ淵にほど近い東京国立近代美術館の本館と工芸館にて、桜の季節に合わせたイベント「美術館の春まつり」が2018年4月8日まで開催中だ。春を描いた所蔵品が展示されるほか、ガイドスタッフによる鑑賞ガイドプログラムや、カフェの特別メニューが楽しめる。

菊池芳文 小雨ふる吉野 左隻 1914 東京国立近代美術館蔵

 東京の桜の名所として知られる皇居や千鳥ヶ淵、北の丸公園にほど近い東京国立近代美術館にて、「美術館の春まつり」と題されたイベントが開催中だ。

 本館では所蔵作品展「MOMAT コレクション」の中で、桜を描いた川合玉堂《行く春》といった重要文化財のほか、菊池芳文《小雨ふる吉野》などを展示。そのほか、新収蔵作品として、昭和初期に日本画の革新運動をすすめた船田玉樹の代表作《花の夕》も公開される。

船田玉樹 花の夕 1938 東京国立近代美術館蔵

 そのほか、4月13日から開催される「横山大観展」にちなみ、岡倉天心らによって創設された日本美術院創立120年特集も。日本美術院にゆかりのある菱田春草、安田靫彦、速水御舟、小倉遊亀、平山郁夫らの作品が展示されるなど充実の内容だ。

 また、ガイドスタッフと参加者が対話しながら、作品を鑑賞する「所蔵品ガイド」が毎日14時から実施される。

 4月1日の無料観覧日には、ガイドプログラムの中でも年に1回行われる特別企画「春まつりトークラリー」を開催。ガイドスタッフとの対話による作品鑑賞を楽しみながら展示室を巡り、作品を鑑賞するごとにもらえるスタンプを3つ以上集めると特製カンバッヂがプレゼントされる。

そのほか、本館前庭には床几台が設置され、桜を眺めながら休憩ができる。レストラン「ラー・エ・ミクニ」によるガーデンカフェもオープンし、特製お花見弁当やサンドイッチ、各種ドリンク、桜色のロゼスパークリングワインなどを楽しめる。

川合玉堂 行く春 1916 重要文化財 東京国立近代美術館蔵

 いっぽう工芸館では、開館40周年記念所蔵作品展「名工の明治」が開催中だ。明治の鋳金家・鈴木長吉の代表作のひとつで、金、銀、銅、赤銅、四分一といった金属の色が巧みにちりばめられた《十二の鷹》が数年にわたる修復後初の公開。そのほかにも、明治150年にちなんだ名工たちの作品が並ぶ。

 なお、工芸館のガイドプログラムは水・土の14時から開催。人間国宝をはじめとする様々な作家の作品をさわったり、会話をしながら作品鑑賞を行うことができる。

鈴木長吉 十二の鷹 1893 東京国立近代美術館工芸館蔵

 美術館の外だけではなく、展示室のなかでも春を楽しむことができる企画。ぜひ2館とも足を運びたい。

編集部

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