山口晃のエッセイ漫画シリーズ「すゞしろ日記」の原画展が開催。ルーツとなる絵画作品の展示も

画家・山口晃のエッセイ漫画シリーズ「すゞしろ日記」の作品集第3巻刊行を記念する展覧会がNADiff galleryで開催される。12年以上続く連載の原画に加え、同シリーズのルーツとなる絵画作品も展示。会期は2018年3月3日〜4月1日。

© YAMAGUCHI Akira

 山口晃は、日本の伝統絵画の様式で現代の事象を表現する作風で知られている。個展や芸術祭での作品発表をはじめ、書籍の装画・挿画やCDジャケットなど、その活動は多岐にわたり、今年大きな話題を呼んだ「会田誠展 Ground No Plan」にも新作で参加した。

 今回、原画が展示される「すゞしろ日記」は、山口が連載を続けるエッセイ漫画シリーズ。「大根という野暮ったい響きを、すゞしろと美しげに言い換えるように、味気ない日常を賑やかしく妄想する」という発想から、画家の日常にある「どうでもいいけど楽しげなこと」を脱力感をまといながらも確かな筆致で描いている。

 本シリーズのルーツとなるのは、「MOTアニュアル2004 私はどこから来たのか/そしてどこへ行くのか」(東京都現代美術館)で発表した、山口が妄想する鼻持ちならない贅沢な絵描きの生活と、それを受けてのオチを日記風に描いた絵画作品。

 その翌年より、絵画作品からタイトルを引き継いだエッセイ漫画として、東京大学出版会のPR誌『UP』で連載を開始。連載作品や関連作品は、作品集『すゞしろ日記』(2009年)『すゞしろ日記 弐』(2013年、いずれも羽鳥書店)としてまとめられており、本展はその3作目『すゞしろ日記 参』の刊行に合わせて開催される。

 本展では、12年以上にわたって描き続けられている「すゞしろ日記」の原画と、そのルーツとなる絵画作品2点をあわせて展示。多くのファンを魅了し続ける、大画面絵画とは異なる遊びや見どころに溢れた作品群を紹介する。

編集部

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