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大森元貴(Mrs. GREEN APPLE)インタビュー。寂しさや孤独から始まる表現者としての仕事【3/3ページ】

表現者の使命とは

──ご自身が絵や写真を見たり感じたりするときに、大事にしていることはありますか。

 日常の延長線という感覚でしょうか。普段の生活のなかで目に入る写真やデザインから、たくさんのインプットをしています。そういった日常のなかでのインプットの蓄積が、自分が表現活動をするうえで大切なことではないでしょうか。寝室やスタジオにアートやデザイン性の高い家具を置いたりするなど、アートは毎日の生活のなかで様々な影響を与えてくれます。

──今回の「僕が居ようが居まいが」は「GQ クリエイティビティ・アワード」受賞者による作品展示イベント「GQ JAPAN クリエイティブ・ウィークエンド」内で開催されました。ほかの様々な表現分野での受賞者といっしょに展示される機会になりましたが、ご自身の刺激にもなるのではないでしょうか。

 自分も表現の仕事に携わってはいるものの、陶芸や建築、現代美術といった分野の方とはなかなか触れ合う機会がなく、作品を見ながらそういったジャンルの方々とお話をすることで、表現を支える人間性を垣間見ることができてとても楽しかったです。

──最後に、音楽、絵画、写真といったジャンルに共通する「ものをつくる」という行為について、大森さんの考えを教えて下さい。

 誰かを慰める装置としてちゃんと機能し、そこに嘘がないようにする、というのは、つね日頃考えていることですね。芸術は豊かなものですが、同時に衣食住のように生活に必要不可欠なものではない、しかし、だからこその彩りを生むことができるということは忘れたくないなと思っています。そういった余剰をつくりだせるからこそ、誰かの日常のなかの孤独感に寄り添うことができる。そんな表現を続けていければと思っています。

編集部