INTERVIEW - 2024.3.16椅子研究家・織田憲嗣インタビュー。「織田コレクション」はいかにしてかたちづくられてきたのか椅子研究家・織田憲嗣北海道・旭川北海道・旭川の織田邸 リビングルーム織田が友人とともに設立した椅子の研究室「CHAIRS?」。ロゴは髙島屋宣伝部の先輩がデザインしてくれたもの織田憲嗣『名作椅子大全』(2007、新潮社[国内絶版])。雑誌『室内』で14年間続いた連載がまとめられた一冊で、その数は736ページ・全8233脚にもおよぶ。原画は北海道・東川町に収蔵されている織田邸設計図。設計時の段階で家具の寸法も組み込まれている家具の配置は季節や、新しいものが入ったときに入れ替えられるという。奥の椅子は第1回ハンス・ウェグナー賞のトロフィーとして、デンマーク王室のヨアキム王子から授与されたトロフィーチェア織田のイラストレーター時代の仕事を見せてもらうデンマーク家具賞のトロフィー。1997年に織田は同賞を受賞。これは過去にデンマーク家具の巨匠ハンス・J・ウェグナーやポール・ケアホルムといった著名なデザイナーらが受賞したもので、デンマーク人以外の初の受賞となった東川町複合交流施設せんとぴゅあでは、織田コレクションによる椅子の展示が定期的に実施されている。写真は「椅子の系譜展 名作椅子の前に名作あり」(2023年12月16日~2024年3月31日)東川町複合交流施設せんとぴゅあ 「椅子の系譜展 名作椅子の前に名作あり」(2023年12月16日~2024年3月31日)西アフリカの国ブルキナ・ファソなどの壺吹き抜けの壁にはインド・ラジャスタン地方のアンティックのサリーをパッチワークしたものや、インドネシアの丸木舟が飾られている若い頃はイタリアンモダンの家具が好きだったという織田。歳を重ねるごとに、北欧の家具(とくにデンマーク)が生活にフィットし、好むようになっていたという。 「『デザイン』という考え方は、人を幸せにするために存在する」と織田は語る。大量生産や大量消費といったファストなものではなく、丁寧なものづくりや生活のあり方を保存し、後世へと継承できる役割を持つ施設がデザインの領域にも必要である、と織田はデザインミュージアムへの見解を述べた 4 / 18 記事にもどる 編集部