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「アートをより身近なものに」。K11創設者、エイドリアン・チェンが目指す世界とは?

アジアを拠点にミュージアムやアート・ビレッジなどを運営している「K11」ブランドの創設者であり、『ArtReview』誌の「Power 100」ランキングに8年連続ランクインされているアート界のビッグプレイヤーであるエイドリアン・チェン。K11の展示企画や今後の計画などについて、エイドリアンにメールインタビューを行った。

聞き手・文=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

エイドリアン・チェン

 香港の不動産開発会社「新世界発展」のCEO兼執行副会長や、宝飾品会社「周大福」(チョウタイフック)のエグゼクティブ・ディレクターを務め、グローバルなアート界で有力なプレイヤーのひとりとして知られるエイドリアン・チェン。

 2008年、当時29歳のエイドリアンは「ミュージアム・リテール」をコンセプトに「K11」ブランドを創設。翌年香港・尖沙咀(チムサーチョイ)に最初のK11ミュージアム・リテール・ショッピングモールをオープンさせ、後に上海、広州、瀋陽、武漢に続々と支店をオープンさせた。

 ショッピングモールに展示スペースを設けるだけでなく、エイドリアンは2010年にK11アート・ファウンデーションを設立し、国際的なアーティストの交流や国際的な展覧会の開催、中国の新興アートシーンやミレニアムカルチャーの支援など、全方位的なアートのエコシステムを構築している。

 また、14年からはイギリスの現代美術雑誌『ArtReview』による、アート界でもっとも影響力のある100組のランキング「Power 100」に毎年ランクインしており(20年は12位)、アート界に大きな影響を与え続けている。

 12月13日より、香港にあるK11 MUSEAではファッション・エディターのカリーヌ・ロワトフェルドとのコラボレーション展「Savoir-Faire: The Mastery of Craft in Fashion」を開催し、中国の伝統的な工芸品やシャネル、クリスチャン・ディオール、ルイ・ヴィトンなどのファッションブランドの名品を一堂に展示する。本展をきっかけに、K11の展示企画などについてエイドリアンに話を聞いた。

© CHANEL FW2017-18

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