「所在不明文化財」とは?
所在不明文化財とは、文化庁による所在調査において「所有者が転居し,所有者も現物も確認できなかった文化財」、「所有者の死亡や,法人の解散等により,所在が確認できなかった文化財」、「盗難されて未発見の文化財(盗難届提出済み)」のことを指している。
2022年6月時点の所在不明の文化財は、国宝・重要文化財1万524件(2014年の指定件数)に対し、所在不明が140件。追加で確認が必要な(「所在不明とまでは断言できないが、所在場所についての確証が得られない」、「現所有者は明らかになっているが、連絡が付かない」、「所有者と連絡を取ることができるが、当該文化財の現物確認ができておらず、所在が明らかと言い切れない」)ものが49件。全体から見ると、重要文化財のうち1.3パーセントが所在不明と位置づけられている。
文化庁文化財第一課の文化財調査官である田中健一は、この1.3パーセントの文化財が所在不明である状態を「少なくない件数であると認識しています」と語った。所在不明文化財は大きな問題となっているのだ。