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2022.1.8

キース・ヘリングのドキュメンタリーからゴッホ複製作家の物語まで。家で見られるAmazon Prime Videoのアートムービー10選

Amazon Prime Videoで見ることができるアートムービーをピックアップ。配信期限つきの作品もあるため、気になるものは早めのチェックをおすすめしたい(本稿は2021/12/24掲載分の再掲です)。

『キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜』予告編より(https://www.madegood.com/keith-haring-street-art-boy/)

『キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜』

 ポップカルチャーと現代美術の世界にいまも影響を与える、エイズにより31歳で早世したアーティスト、キース・ヘリング。その伝えるドキュメンタリーが『キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜』だ。1989年、キースはエイズの診断を受けた後、作家で美術評論家のジョン・グルーエンに伝記の執筆を依頼。グルーエンによる取材では、キースは包み隠さず自身の人生について語っている。本作ではこのインタビューを中心に、キースが若かりし頃を過ごしたペンシルべニア時代から、ニューヨークのゲイクラブ時代までの記録を紹介。

 また、エイズ・クライシス最中の切実な状況に触れながらも、同時代をともに過ごした友人、家族、制作に関わったコラボレーターたちとの出会いと交流、そして最期の時まで生命を賛美して早世したキースの思想が描かれる。

『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』

 ナチスドイツ政権下では、芸術家も様々な弾圧を受けた。抽象美術、表現主義、バウハウスなどを「退廃芸術」として迫害。また、美術品の略奪も組織的に行っていた。ナチス・ドイツが略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、今でも10万点が行方不明と言われる。

 なぜナチス、そしてヒトラーは美術品略奪に執着したのか?『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』で描かれるのは、ピカソ、ゴッホ、ゴーギャンらの傑作に「退廃芸術」の烙印を押し、一方で古典主義的な作品を擁護したナチスの歪んだ芸術への姿勢だ。権力は芸術をも支配できると妄信するナチスが行った歴史上最悪の美術品強奪と破壊、そしてヒトラーの秘宝たちが辿った知られざる真実とは?

『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』

 リサ・インモルディーノ・ヴリーランド監督『ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪』(2018)は、アメリカ随一の影響力を持った現代美術のコレクター、ペギー・グッゲンハイム(1898〜1979)に焦点を当てた映画だ。

 サルバドール・ダリやパブロ・ピカソを初めとした20世紀を代表する画家の作品を所蔵し、当時無名だったジャクソン・ポロックを見出しすなど、絶大な影響力も誇ったグッゲンハイム。本作は、彼女の生前に収録されたインタビューに基づき、多くの芸術家たちとの愛の遍歴も含めて、ひとりのコレクターの華麗な生の魅力を描く。

『世界で一番ゴッホを描いた男』

 中国・深セン市近郊でフィンセント・ファン・ゴッホの複製画を描き続けているチャオ・シャオヨン。彼が「本物のゴッホの絵を見る」という夢を実現するため、アムステルダムを訪れるまでを描いたドキュメンタリーが『世界で一番ゴッホを描いた男』だ。

 世界の有名画家の複製画制作が産業として根づいている 「大芬(ダーフェン)油画村」。世界に出回るレプリカの6割がこの地で制作されているとも言われている。シャオヨンは独学で油絵を学んだのち、ゴッホの複製画を20年間も描き続けているが、いつか本物のゴッホの絵画を見たいという夢も抱いている。ゴッホの目と自分の目が一体になるまで感情移入をするシャオヨン。自らの夢を実現するため、シャオヨンはゴッホ美術館があるアムステルダムの地を訪れる。

真珠の耳飾りの少女

 17世紀のオランダを舞台に、画家フェルメールの名画《真珠の耳飾りの少女》が描かれた背景に物語を構築。スカーレット・ヨハンソン演じる、モデルの少女グリートの目を通して、フェルメールの絵に宿る美を描く。

 フェルメールの家の使用人として働き始めたグリートは、窓拭きをしているときにフェルメールの光の変化に対する視点を開眼させる。フェルメールはパトロンの注文を受け、この少女の肖像画を描くことにする。やがてふたりの関係は、フェルメールの新たな運命を導いていく。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』

 ゴッホの孤独でドラマティックな人生を映像化したのが『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2019)だ。本作の監督、ジュリアン・シュナーベルは自身も画家であり、『潜水服は蝶の夢を見る』(2007)を手がけたことでも知られ、ゴッホを演じるのは『スパイダーマン』(2002)などで知られる俳優、ウィレム・デフォー。

 南仏・アルルへ向かうところからスタート。ゴーギャンとの生活や決別を経てその生涯を閉じるまでを追い、ゴッホが生涯をかけて伝えようとした「この世の美しさ」とは何かを探る。

『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』

 作者不明の「運命の絵」に魅せられる老いた美術商とその家族を、フィンランドの映画監督、クラウス・ハロが描いたヒューマンドラマが『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』だ。

 何よりも仕事を優先して生きてきた老美術商年オラヴィのもとに、音信不通だった娘から孫息子のオットーを職業体験のため預かってほしいと頼まれる。いっぽうでオラヴィは、オークションハウスで出会った署名のない肖像画に心を掴まれ、オットーとともに作者を探し始める。近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品だという証拠をつかみ、この名画を手に入れるべく資金集めに奔走するオラヴィだが、やがて娘とオットーの親子の知られざる過去を知ることになる。

『セザンヌと過ごした時間』

 近代絵画の父と称されるポール・セザンヌと、文豪エミール・ゾラの40年にわたる友情を描いた作品が、ダニエル・トンプソン監督『セザンヌと過ごした時間』(2017)だ。

 少年時代に出会ったセザンヌとゾラ。境遇こそ異なるがともに芸術を志すふたりは、夢を語り合い成長してきた。やがてゾラは小説家として成功を収めるが、セザンヌはなかなか評価されず落ちぶれていく。そんな折、ゾラが画家をモデルにした小説を発表したことで、2人の友情に亀裂が入る。

ビッグ・アイズ

 1960年代にアメリカで人気を博したポップ・アート「ビッグ・アイズ」シリーズ。本作をめぐり作家のマーガレット&ウォルター・キーン夫妻のあいだに起こった史実を、ティム・バートン監督が映画化したのが本作『ビッグ・アイズ』だ。

 大きな目をした子どもを描いたウォルター・キーンの「ビッグ・アイズ」シリーズは、世界中で大ブームとなった。作者のウォルターも脚光を浴びるが、じつはウォルターの妻マーガレットが描いていたものだったという。絵は飛ぶように売れていきウォルターの名声も広まっていくが、いっぽうのマーガレットにとって、「ビッグ・アイズ」は自分の感情を表す唯一の手段だった。やがてマーガレットは「ビッグ・アイズ」を守るため真実を明らかにすることを決意する。

『何も変わらない-ハンクとして芸術家の魂』

 毎日、ニューヨークにあるスタジオに通勤して制作を続けるアーティスト、ハンク・ヴァルゴナを追ったドキュメンタリーが『何も変わらない-ハンクとして芸術家の魂』だ。

 ヴァルゴナはすでに癌に侵され、収入も少なく、芸術家として無名な87歳のアーティスト。しかし、日々の生活を生きることと、芸術を生み出すことが一体となっている彼は、今日も淡々と作品と対峙する。芸術を出発点に、「いかに生きるか」という人生の意味をも考えさせられる作品。