EXHIBITIONS
池田龍雄:BRAHMAN
ファーガス・マカフリー東京は、「池田龍雄:BRAHMAN」展を開催している。
日本の戦後美術を代表する画家のひとり・池⽥⿓雄(1928〜2020)。佐賀県に⽣まれた池⽥は、15歳で⽇本海軍航空隊に⼊隊し、神⾵特攻隊員として訓練中に第⼆次世界⼤戦終戦を迎えたのち、東京へ移住。多摩美術⼤学で岡本太郎、花⽥清輝らによる「アヴァンギャルド芸術研究会」に参加した。50年代の作品がルポタージュや⾵刺など政治的要素を含んでいたのに対し、次の約10年間は社会的な関⼼から離れ、「楕円空間」(1963〜64)や「玩具世界」(1966〜70)シリーズで、新たなモチーフを通して⼈間の意識と⾝体の関係性を探求した。
73年になると池⽥は瞑想的で哲学的なアプローチを通し、宇宙の原初に関する視覚的神話を中⼼とする著名な「BRAHMAN」シリーズに着⼿。同シリーズで池⽥は、それまでの作品に通底していた社会的要因から完全に離れ、永遠の真理、無限の空間を性別のない胎児が満たす⾄福の状態を描き出している。この頃からエアブラシを制作に取り⼊れ、ヒンドゥー教の哲学、⽣物の形態、セクシュアリティに⾔及する幻想的な絵画を制作した。池⽥は⾃らの創世記を語り、内に⽬を向け、宇宙の根底にある形⽽上学的な結合を探求し、これらの海外を「『内側と外側とがひとつながりになっている宇宙』に開ける『⾍⾷い⽳(ワーム・ホール)』」と定義している。
88年に完結した「BRAHMAN」シリーズは、15年の歳⽉をかけて制作された10章からなる。池⽥の視覚的、哲学的な改⾰において重要な連作であり、展開する宇宙の事象と、絶えず変化する⽣の経験を理解するための旅であった。
本展では、「BRAHMAN」シリーズより75年から80年の期間に制作された20点が展⽰されている。なお本展は池⽥作品が出展する、「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展、およびメトロポリタン美術館(ニューヨーク、2021〜22年)とテイト・モダン(ロンドン、〜2022年8⽉29⽇)での「Surrealism Beyond Borders」展と同時期開催となる。
日本の戦後美術を代表する画家のひとり・池⽥⿓雄(1928〜2020)。佐賀県に⽣まれた池⽥は、15歳で⽇本海軍航空隊に⼊隊し、神⾵特攻隊員として訓練中に第⼆次世界⼤戦終戦を迎えたのち、東京へ移住。多摩美術⼤学で岡本太郎、花⽥清輝らによる「アヴァンギャルド芸術研究会」に参加した。50年代の作品がルポタージュや⾵刺など政治的要素を含んでいたのに対し、次の約10年間は社会的な関⼼から離れ、「楕円空間」(1963〜64)や「玩具世界」(1966〜70)シリーズで、新たなモチーフを通して⼈間の意識と⾝体の関係性を探求した。
73年になると池⽥は瞑想的で哲学的なアプローチを通し、宇宙の原初に関する視覚的神話を中⼼とする著名な「BRAHMAN」シリーズに着⼿。同シリーズで池⽥は、それまでの作品に通底していた社会的要因から完全に離れ、永遠の真理、無限の空間を性別のない胎児が満たす⾄福の状態を描き出している。この頃からエアブラシを制作に取り⼊れ、ヒンドゥー教の哲学、⽣物の形態、セクシュアリティに⾔及する幻想的な絵画を制作した。池⽥は⾃らの創世記を語り、内に⽬を向け、宇宙の根底にある形⽽上学的な結合を探求し、これらの海外を「『内側と外側とがひとつながりになっている宇宙』に開ける『⾍⾷い⽳(ワーム・ホール)』」と定義している。
88年に完結した「BRAHMAN」シリーズは、15年の歳⽉をかけて制作された10章からなる。池⽥の視覚的、哲学的な改⾰において重要な連作であり、展開する宇宙の事象と、絶えず変化する⽣の経験を理解するための旅であった。
本展では、「BRAHMAN」シリーズより75年から80年の期間に制作された20点が展⽰されている。なお本展は池⽥作品が出展する、「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展、およびメトロポリタン美術館(ニューヨーク、2021〜22年)とテイト・モダン(ロンドン、〜2022年8⽉29⽇)での「Surrealism Beyond Borders」展と同時期開催となる。