EXHIBITIONS

建築のヴィジュアリティ

Architectural Visuality by 5 artists(Gallery OUT of PLACE)

2022.03.15 - 04.03

上須元徳 Dome 2010

鷲津民子 Washizu Drawing no.12

ルシアン・エルヴェ Chandigarh(Inde)La Haute-Cour #2

嶋田ケンジ TS細胞の再構築

寺田真由美 kitchen 011201

 CADAN有楽町は、奈良を拠点とするGallery OUT of PLACEの企画による展覧会「建築のヴィジュアリティ Architectural Visuality by 5 artists」を開催している。

 本展では、住めない建築、不条理な仮想空間などをキーワードに、ル・コルビュジエの建築を多く撮り、独自のトリミングを施し発表し続けたルシアン・エルヴェ、実在のドーム建築を抽象化し、銀塩写真の独特の階調を絵画に持ち込む上須元徳、建造物の重厚で荒々しいテクスチャーと複雑な構造を陶で表現する嶋田ケンジ、自作のミニチュアを写真に撮り、虚実が交錯する空間を表現する寺田真由美、そして「飛ぶ家」をテーマに3Dと2Dのあいだを行き来するミクストメディアを手がける鷲津民子による、秀作・逸品を紹介している。

 5人の作家がつくり上げる建築的異空間を体感できる展覧会。

「いわゆる建築家が、実際の地球上のある場所に建てる(建てた)構造物を、仮に『実存建築』と名付けるとしよう。その一方で、ならば美術家を魅了し彼らが想像し描き出す構造物は『仮想建築』となるのかもしれない。その間にあるのが写真家によって実際の建造物から切り取られた(トリミングされた)表象で、それらは『写真建築』と呼べるのかもしれない。

あらかじめ断っておくが、『実存建築』『仮想建築』『写真建築』は筆者の造語であり、『実存建築』は実在する建築を意味しないし、『仮想建築』とは言っても空間を持たないわけではない。そして当然ながら『写真建築』は『建築写真』とは全く違う概念である(本展ステイトメントより)」。