EXHIBITIONS

旅スル絵画 ― 住友コレクションの文人画

2022.03.26 - 05.15

田能村竹田 梅渓閑居図 江戸・文政10年(1827)(部分)

与謝蕪村 風雨樹下牧馬図 江戸時代 18世紀

十時梅厓 十便十宜帖 「十便帖 第7図:釣便」 江戸・寛政13年(1801) 展示期間:4月19日~5月15日

浦上春琴 蔬果蟲魚帖 「第2図」 天保5年(1834) 展示期間:3月26日~4月17日

周之夔 渓澗松濤図 1646(清・順治3)

沈銓(沈南蘋) 雪中遊兎図 1737(清・乾隆2) 展示期間:4月5日~5月15日

 泉屋博古館が展覧会「旅スル絵画 -住友コレクションの文人画」を開催する。田能村竹田や与謝蕪村、浦上春琴、周之夔(しゅう・しき)、沈南蘋(しん・なんぴん)らの作品を展示。

 古より、旅は中国文人が読書とともにもっとも大切にした営みだった。未知の空間に踏み入り見聞を深め、山河の気にふれることを重視していた。

 江戸時代の文人画家たちも多く旅に出た。旅先では、美しい風景、心通じあう友・優れた師、そして先人の貴重な絵画や書など、様々な出会いがあり、自らの内面を心の赴くまま自由に筆墨に託す文人画家にとって、その体験が制作の滋養となっていたことだろう。そして旅の楽しみはそれだけではなく、文人にとって絵のなかを旅すること、描かれた理想の天地に身を置くことこそ、最大の醍醐味でもあった。

 本展は「旅」をキーワードに、住友コレクションより、江戸時代の京・大坂を中心とする文人画を紹介する。また長崎に来舶して日本に多大な影響を与えた沈南蘋(しん・なんぴん)ら、中国の画家の作品もあわせて展示し、東アジアを舞台にした書画による文人画家の交流にも注目する。