EXHIBITIONS

山田千尋「BABY」

2022.02.26 - 03.26

新作参考図版 © 2022 Chiriho Yamada

 ギャラリーノマルでは、新進気鋭の画家・山田千尋の2度目となる個展「BABY」を開催する。

 山田は1994年京都府生まれ。2016年に京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業。以降、模索しながら日々描き続け、独自のスタイルを確立しつつある。

 2020年春にギャラリーノマルで開催した若手作家4名によるグループ展「U30 - Whom do you suspect?」への参加以降、昨年の同ギャラリーでの初個展「ユニーク」や、自身の手による初の版画作品制作ほか、京都府新鋭選抜展(京都文化博物館)での展示やアートコレクターによる選抜展(TEZUKAYAMA GALLERY)での作品発表など、今後の飛躍を予感させる1年となった。

 山田の絵の特徴は、目を惹く軽やかな色彩、薄い層でありながら独特な質感を感じさせる筆跡、そして主にSNS上で掲載されている写真から抽出した、通常目を向けられることのない歪なモチーフへの強い執着がある。時間をかけて丹念に描かれたその画面には、物事をあらゆる角度から偏見なくとらえ、かけがえのないものへと昇華する山田自身の眼差しが反映されている。

「BABY」と題された本展では、同じモチーフを題材とした大小様々な油画を壁面ごとに複数点展示。同じモチーフながら個々に異なる筆跡や色合いの作品を一望することで、画一的でないものの見方、感じ方の多様性を提示するとともに、描くことの唯一性(=本質)を探求する試みとなる。