EXHIBITIONS

「絵画の理由」三瓶玲奈・本山ゆかり・楊博

三瓶玲奈 線を見る 2021

本山ゆかり Ghost in the Cloth(ナイフ) 2021 撮影=澤田華

楊博 No title(study for writing capital letters) 2021

 MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYで、三瓶玲奈、本山ゆかり、楊博のアーティスト3名によるグループ展「絵画の理由」が開催される。会期は2月2日〜2月14日。

「絵画の理由」と題した本展では、それぞれに絵画だからこそ可能なユニークな試みを展開するアーティストたちの作品を紹介する。

 三瓶玲奈は、日常のなかでとらえた光景から、なぜその光景に惹かれたのか印象のもとをたどり、繰り返し考察することで、人間の知覚の在り様を絵画を通して表現することを試みてきた。具象と抽象の境界を往還するようにして描かれる作品は、多くの人に注目されている。

 本山ゆかりは、「絵画」をつくる/鑑賞する際に起きる様々な事象を解体し、それぞれの要素を見つめ直し、再構築していくように制作を行う。アクリル版を支持体にした作品シリーズ「画用紙」や、キルティングの手法を通じてイメージを浮き立たせる「Ghost in the Cloth」など、極めて洗練されたアイデアをもってこれからの「絵画」の姿を探求している。

 楊博(ヤン・ボー)は、ポップカルチャーとその受容に関わる距離感をテーマに作品を発表してきた。文化的なアイコンが彩る様々なシーンと自身の生活風景を混ぜ合わせて生み出される作品は、どこかシュルレアリスティックでありながらも、誰しもの心にある憧憬に迫る温かみとユーモアを持っている。

 それぞれに異なる試みを展開する3人のアーティストの作品から、「絵画」だからこそ感受することのできる様々な感覚を楽しみたい。