EXHIBITIONS

グィド・アルジェンティーニ 個展「エロス」

2022.01.21 - 02.26

グィド・アルジェンティーニ OPEN TO LOVE 2004

 Sho+1では、ロサンゼルスを拠点に活動するイタリア人写真家、グィド・アルジェンティーニの個展「エロス」を開催する。2月26日まで。

 アルジェンティーニの日本での個展開催はほぼ12年ぶり。この10年のあいだ様々な技法にチャレンジしてきたアルジェンティーニは、近年は、作品のなかに独自の物語性を漂わせ鑑賞者の想像力をあらゆる方向から刺激することに関心を持ち、風景や物体と女性をひとつの空間に並列に収めるシリーズなどに取り組んでいる。

 本展は、初期の白黒作品をユニークな手法で焼き直した作品と、近年の多様なアプローチを試みた実験的な作品で構成する。

 アルジェンティーニの写真はヘルムート・ニュートン(1920〜2004)のスタイルに影響を受けている。ニュートンが被写体に即興的なかたちでアグレッシブに対峙していくのとは対照的に、アルジェンティーニは緻密な下準備のもと、女性の美を最大限に引き出し様式化することに長けている。

 アルジェンティーニは自らのステイトメントのなかで、エロスについて次のように述べている。

「エロス、エロティック、エロティシズム、これらの言葉は氾濫しすぎており、本来の意味を忘れがちですが、一般的な意味合いでは性的な欲望を誘発するものとして捉えられています。同時に、大方の集合的想像においてエロティックなイメージとは、背後に隠されている概念的側面が優雅なタッチで表現されているもので、いわゆる表層的なポルノグラフィックなものとは区別されます。実際に、エロスの概念は全く異なった次元に複数存在し、それぞれが深い趣きを有しています。エロスはプラトンの『饗宴』の中で悪魔、または人間と神の中間、さらには物質界と霊界の間に介在する生命力として描かれています。

エロス本来の意味は愛であり、美しさの探究なのです(グィド・アルジェンティーニ)」。