EXHIBITIONS

未来へつなぐ陶芸 - 伝統工芸のチカラ展

松井康成 練上嘯裂文大壺 1979 茨城県陶芸美術館蔵

富本憲吉 色絵金銀彩四弁花染付風景文字模様壺 1957 東京国立近代美術館蔵

荒川豊蔵 志野茶垸 1957 東京国立近代美術館蔵

三代德田八十吉 耀彩鉢 創生 1991 東京国立近代美術館蔵

十四代今泉今右衛門 色絵雪花薄墨墨はじき萩文鉢 2019 個人蔵

隠﨑隆一 備前広口花器 2012 個人蔵

和田的 白器 ダイ/台 2017 茨城県陶芸美術館蔵

 パナソニック汐留美術館で、現代陶芸のいまに焦点を当てた「未来へつなぐ陶芸 - 伝統工芸のチカラ展」が開催。日本工芸会陶芸部会が50周年を迎えることを記念し、人間国宝から若手作家まで、日本のやきものの美を展覧する。

 日本が誇る工芸技術「陶芸」は、時代とともに技法や表現が多様化し、現代まで著しく進化を遂げてきた。とりわけ昭和戦後期以降には、陶芸家の創作活動が活発化し、意欲的な作品が次々と発表されている。

 1950年、陶芸をはじめ、様々な分野の工芸技術の保存と活用を目的に、文化財保護法が施行され、その5年後の文化財保護法改定を機に、「日本工芸会」が発足された。日本工芸会は重要無形文化財保持者(人間国宝)を中心に、各分野の伝統工芸作家、技術者らで組織され、「日本伝統工芸展」を中心に作品を発表。そして73年には、同会陶芸部所属の作家による「第1回新作陶芸展(陶芸部会展)」が開催され、現在に至っている。

 本展は、日本工芸会陶芸部会で活躍した作家の秀作とともに、その活動の歴史を振り返るもの。歴代の人間国宝作品をはじめ、窯業地ならではの素材と伝統を受け継いだ作家らによる作品、茶の湯のうつわなど、伝統工芸の技と美を紹介する。

 さらに本展は、未来を担う若手作家らの作品も見どころのひとつ。これからの「伝統」をその技術と表現でどのように生み出すのかを検証する。

 主な出展作家は、金重陶陽、加守田章二、藤本能道、松井康成、三輪休和、井上萬二、十三代今泉今右衛門、中島宏、吉田美統ら。近現代作家137名の陶芸作品が一堂に会する。