EXHIBITIONS

国立新美術館開館15周年記念

李禹煥

2022.08.10 - 11.07

李禹煥 フランス、アングレームでの《Relatum - The Shadow of the Stars》設置作業 2021 Photo ©︎ Lee Ufan

李禹煥 フランス、アングレームでの《Relatum - The Shadow of the Stars》設置作業 2021 Photo ©︎ Lee Ufan

 2022年に開館15周年を迎える国立新美術館は、「もの派」を代表する作家として、国際的にも注目されてきた現代美術家・李禹煥(リ・ウファン)の大規模回顧展を開催する。

 1936年、韓国・慶尚南道に生まれ、ソウル大学入学後の56年に来日した李は、その後、東京の日本大学で哲学を学び、東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した。そして60年代から現代美術に関心を深め、60年代後半に入って本格的に制作を開始する。

 視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引すると同時に、「すべては相互関係のもとにある」という世界観を視覚芸術だけでなく著述においても展開してき、69年に美術出版社芸術評論賞で入賞した「事物から存在へ」などに示される深い思考は、「もの派」の理論的支柱にもなった。

 芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を私たちに問いかける李。近年は、ますます国際的に活躍し、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク、2011)やポンピドゥー・センター・メッス(2019)など、世界の名だたる美術館で個展を開催。いっぽう、日本では、2010年に香川県直島町に建築家・安藤忠雄の設計で李禹煥美術館が開館したが、国内の美術館の大規模な個展としては、05年の横浜美術館での「李禹煥 余白の芸術」展が最後となる。
 
 東京での大規模回顧展は初めてであり、待望となる本展は、「もの派」以前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた「関係項」シリーズ、そして静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、李の代表作が一堂に会する。