EXHIBITIONS
ステファニー・クエール「Concrete Jungle」
CADAN 有楽町では、ステファニー・クエールの個展「Concrete Jungle」を開催している。東京・神宮前を拠点とするGallery 38による企画。
クエールは1982年生まれ。2005年スレード・スクール・オブ・アート彫刻学科首席卒業。2007年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート彫刻学科修士課程修了。イギリスのアイリッシュ海に浮かぶマン島に生まれ育ったクエールは、現在も自然豊かなこの島で制作を続けている。
クエールの作品は、人間と動物に本来備わっている自然の力に焦点を置き、自然に宿る力強さ、謙虚さ、不思議さ、叡智、そしてそれらに向き合うことで私たち人間の小ささを思い知ると同時に、自然界と人間の結びつきや、その隔たりを思い起こさせる。
制作にあたって作家は粘土を手にする前に、何枚ものスケッチを描く。そうすることで動物たちのなかに入り込み、より深く理解しようと試みている。描けば描くほど、実際に粘土で作品をつくる時に、よりすばやく動物たちの生命感を作品に取り込むことができるのだと言う。そして様々な素材で制作を試みたクエールが、最終的に粘土を選んだ理由を次のように語っている。
「粘土は、私が動物とのつながりを最も感じられる素材です。泥、土、地面そのものが、すべての痕跡、すべての瞬間、すべての思考を確固たるものにしてくれるのです」。そうして生み出される彫刻作品には、制作までの全ての痕跡が残されている、ドローイングの立体物とも言える。
クエールは「Concrete Jungle」と題した本展へ、次のステイトメントを出している。
「ギャラリーという人工的な空間に侵入したニホンザルの群れは、飼いならされておらず、手に負えないほどに大暴れしていますが、彼らを眺めていると、私たち鑑賞者の方がより荒っぽく、不自然なように思えてくるのです。
ニホンザルは古来、神と人間の間を取り持つ神聖な存在とされ、幸運と迷信の源であり、いたずら者であり、守護者であり、ヒーラーであるなど、宗教、民間伝承、芸術の中で重要な役割を果たしてきました。
粘土で力強く描かれた彫刻は、これらの象徴的な生き物の生の本質を捉えています。身近でありながら独特の存在感を放ち、自然の中での私たちの重要な位置と役割を思い出させてくれる、私たち自身に似た存在なのです(ステファニー・クエール)」。
なおクエールの大型作品が展示されているDover Street Market Ginzaにて、ポップアップ展示も開催中(〜12月30日)。
クエールは1982年生まれ。2005年スレード・スクール・オブ・アート彫刻学科首席卒業。2007年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート彫刻学科修士課程修了。イギリスのアイリッシュ海に浮かぶマン島に生まれ育ったクエールは、現在も自然豊かなこの島で制作を続けている。
クエールの作品は、人間と動物に本来備わっている自然の力に焦点を置き、自然に宿る力強さ、謙虚さ、不思議さ、叡智、そしてそれらに向き合うことで私たち人間の小ささを思い知ると同時に、自然界と人間の結びつきや、その隔たりを思い起こさせる。
制作にあたって作家は粘土を手にする前に、何枚ものスケッチを描く。そうすることで動物たちのなかに入り込み、より深く理解しようと試みている。描けば描くほど、実際に粘土で作品をつくる時に、よりすばやく動物たちの生命感を作品に取り込むことができるのだと言う。そして様々な素材で制作を試みたクエールが、最終的に粘土を選んだ理由を次のように語っている。
「粘土は、私が動物とのつながりを最も感じられる素材です。泥、土、地面そのものが、すべての痕跡、すべての瞬間、すべての思考を確固たるものにしてくれるのです」。そうして生み出される彫刻作品には、制作までの全ての痕跡が残されている、ドローイングの立体物とも言える。
クエールは「Concrete Jungle」と題した本展へ、次のステイトメントを出している。
「ギャラリーという人工的な空間に侵入したニホンザルの群れは、飼いならされておらず、手に負えないほどに大暴れしていますが、彼らを眺めていると、私たち鑑賞者の方がより荒っぽく、不自然なように思えてくるのです。
ニホンザルは古来、神と人間の間を取り持つ神聖な存在とされ、幸運と迷信の源であり、いたずら者であり、守護者であり、ヒーラーであるなど、宗教、民間伝承、芸術の中で重要な役割を果たしてきました。
粘土で力強く描かれた彫刻は、これらの象徴的な生き物の生の本質を捉えています。身近でありながら独特の存在感を放ち、自然の中での私たちの重要な位置と役割を思い出させてくれる、私たち自身に似た存在なのです(ステファニー・クエール)」。
なおクエールの大型作品が展示されているDover Street Market Ginzaにて、ポップアップ展示も開催中(〜12月30日)。

