EXHIBITIONS

冨井大裕「線を重ねる」

2021.11.20 - 2022.01.15

冨井大裕 出品作品のためのイメージドローイング 2021
© Motohiro Tomii Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 美術家・冨井大裕の新作個展「線を重ねる」がユミコチバアソシエイツで開催される。会期は11月20日~2022年1月15日。

 冨井は1973年新潟県生まれ、東京都在住。99年に武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コースを修了し、15〜16年には文化庁新進芸術家海外研修制度派遣研修員としてニューヨークに滞在した。主な個展に、「メロー」(KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS、2020)、「斜めの彫刻」(ユミコチバアソシエイツ、東京、2020)、「紙屑と空間」(Art Center Ongoing、東京、2020)などがある。

 主に既製品や日用品に最小限の手を加えた明解な構成手法からなる作品を通じて、彫刻の新たな可能性を探ってきた冨井。本展では、2018年にvoid+(東京)で発表した、ファッションブランド「tac:tac」のデザイナーが引いた服のパターン、型紙をもとにつくられた彫刻作品をさらに発展させる。

 今回の新作は、既製品などの物体を用いるのではなく、あくまで他者が引いたパターンに「線を重ねる」ことによって彫刻を展開。それは、二次元の平面上に展開されるパターンと呼ばれる「線」を引くことから服という三次元の立体を立ち上げていく衣服のデザインと、彫刻という立体が重なり合う(あるいは重ならない)地点を考えることであると同時に、「線を引くこと」を通じて、二次元の絵画と三次元の彫刻との関係を問い直す試みだと言えるかもれない。同時に、衣服と彫刻との交差は、2つが共通して、人体に強く拘束された表現であることも示唆している。結果として、冨井の彫刻の「線を重ねる」行為は、衣服、彫刻、絵画、あるいは平面と立体とのあいだに、文字通り線を重ね、引き直す試みになると言えるだろう。冨井の新作個展に注目してほしい。

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