EXHIBITIONS

上野アーティストプロジェクト2021

Everyday Life : わたしは生まれなおしている

桂ゆき ひまわりの咲く午後 1948 茨城県近代美術館蔵

貴田洋子 ふるさと・あのころを舞う 2018 作家蔵

常盤とよ子 夜の蝶へ 1956 横浜都市発展記念館蔵

小曽川瑠那 ひといきを読む 2019 作家蔵(参考作品)

丸木スマ 簪 1955 原爆の図丸木美術館蔵

川村紗耶佳 mundanedays Ⅲ 2017 作家蔵

「上野アーティストプロジェクト」は、「公募展のふるさと」とも称される東京都美術館の歴史の継承と未来への発展を図るために、2017年から始まった展覧会シリーズ。毎年異なるテーマを設けて、公募展を舞台に活躍する作家たちを紹介してきた。

 第5弾である今回のテーマは「Everyday Life」。戦前から現代にいたる6名の女性作家を取り上げ、「日々生きること」を問いなおす。

 出品作家は、桂ゆき(二科会/女流画家協会)、川村紗耶佳(日本版画協会)、貴田洋子(日展/現代工芸美術家協会)、小曽川瑠那、常盤とよ子(日本写真家協会/神奈川県写真作家協会ほか)、丸木スマ(女流画家協会/日本美術院)。「第一章 皮膚にふれる 桂ゆき・貴田洋子」「第二章 土地によりそう 常盤とよ子・小曽川瑠那」「第三章 記憶にのこす 丸木スマ・川村紗耶佳」で展覧会を構成し、毎日の暮らしや、そばにあるものへのまなざしを起点とした多様な作品を展示する。

 本展では、桂ゆきの《ひまわりの咲く午後》や、丸木スマの《簪》など、かつて二科展や院展で発表された作品の再展示も。美術団体で現在も活躍中の川村紗耶佳による木版画や貴田洋子による津軽こぎん刺し作品、小曽川瑠那のガラス作品など現役作家3名の作品は、新作や本邦初公開の作品を含み、いずれもまとまった点数を美術館で紹介する初めての機会となる。

 また本展は、津軽こぎん刺し、コラージュ、写真、ガラス、木版画、クレヨンと水彩、水墨など、バラエティ豊かな素材や技法も見どころのひとつ。作家たちが、素材や技法にどのような思いを持ち、それらの特性を活かしていかに独自の表現を追求してきたのかに注目する。

 戦前・戦後の美術団体で活躍し、身辺の事物を通じて自己そして社会と向きあった物故作家3名と、身の回りに埋もれた様々な「生」の断片を拾い上げ、それらをとどめ、かつ再生させるかのような制作行為に取り組んでいる3名の現役作家たち。それぞれの作品と生き方を、「日々生きること」について考えるきっかけとしたい。