EXHIBITIONS

オープン・スタジオ 2021-2022 / 12月

前谷開 Burns on the Retina(Dear Cells) 2020

ルーベン・デルス Faint Music 2018

 アートやデザイン、建築、キュレーションなど様々な創造的分野で活躍するクリエーターに対し、滞在制作やリサーチ活動、交流の場を提供してきたトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)レジデンシー。今回のオープン・スタジオでは、リサーチ・レジデンス・プログラムに滞在する前谷開と、オンライン・レジデンスに参加中のルーベン・デルスの2人が、制作やリサーチの過程を展示・公開する。

 前谷は1988年愛媛県生まれ。2013年京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院芸術研究科表現専攻修了。18年、記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY」に、また19年より共同スタジオ「山中suplex」に加入。自身の行為を変換し、確認するための方法として主に写真を使った作品を制作している。

 デルスはベルリンを拠点に活動するベネズエラ人アーティスト。2016年ベルリン芸術大学大学院にて修士号(Sound Studies)を取得し、サウンド・インスタレーションと音楽が交差した作品を展開している。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、海外からのクリエーターが滞在延期を余儀なくされるなか実施される今回のオープン・スタジオ。制約のある状況下で2人の参加アーティストそれぞれが、レジデンス・プログラムにて進めるリサーチや制作に注目してほしい。

 また会期中の12月12日には、ゲストに港千尋(写真家、映像人類学者、多摩美術大学教授)を迎えたトークも実施予定。自らの身体や、その時々に関わる人物や状況を記録しながら、写真という媒体によって変質する対象との距離感に注目し、近年では風景と身体の関係性を追究している前谷が、東京という都市の風景のなかで出会った発見をいかに制作に発展させたかを出発点に、港とともに、写真と風景について語り合う。