EXHIBITIONS

令和3年度豊田市民芸館 第34回特別展

柳宗悦と民藝運動の作家たち

2021.10.26 - 2022.01.30

濱田庄司 白釉黒流描鉢 1963 日本民藝館蔵

河井寬次郎 白釉地花手文陶板 1951 日本民藝館蔵

芹沢銈介 黄地松竹梅文着物 1933 日本民藝館蔵

金城次郎 線彫魚文抱瓶 1968 日本民藝館蔵

片野元彦 藍染筋立段絞り絞布(部分) 1970年代前半 日本民藝館蔵

鈴木繁男 色絵草花文皿 1939 日本民藝館蔵

 豊田市民芸館は特別展「柳宗悦と民藝運動の作家たち」を開催する。本展は、日本民藝館創設80周年特別展のひとつとして、2017年に日本民藝館で開催された展覧会を再構成したもの。民藝美に触発され、柳とともに民藝運動を推進した作家たち約20名の作品を紹介する。
 
 大正末期、宗教哲学者の柳宗悦によって主導された民藝運動。それは、暮らしのなかで民衆が用いる日常品に至上の美を見出し、それらに「民藝」という言葉を冠して、従来にない新しい美意識を提示したものだった。この日本発の独創的な工芸運動は、柳を軸にバーナード・リーチ、河井寬次郎、濱田庄司といった陶芸作家との交友のなかで確立され、広がっていった。

 柳らはともに各地を旅して多くの美しい品々を蒐集すると同時に、積極的に地方の職人との共同制作や指導を行った。そして個人作家たちは民藝品から多くの滋養をくみとりながら、それぞれの信じる新しい表現の道を開拓した。

「民藝」という日常の生活道具の美しさに注目して考案した新しい美の概念は、いまなお人々を触発し、私たちの生活文化にち影響を与えている。「民藝」という言葉が生み出されてから、まもなく100年が経とうとしているいま、柳とともに民藝運動を推進した作家たちがどのような道をたどり作品を残したのか、本展はその行跡を見直す。

 また民藝運動の中核を担った作家たちに続く、片野元彦、船木道忠、黒田辰秋、柳悦孝、金城次郎、鈴木繁男、岡村吉右衛門、島岡達三、武内晴二郎、柚木沙弥郎、舩木研兒などの作品に加え、本展では柳の書や原稿、関係書籍なども展示する。