EXHIBITIONS

和田誠展

『ことばのこばこ』より 1995 瑞雲舎(1981初版 すばる書房) © Wada Makoto

新・雪国 『話の特集』より 1973 話の特集社 多摩美術大学アートアーカイヴセンター蔵 © Wada Makoto

映画『快盗ルビイ』ポスター 1988 © Wada Makoto

デューク・エリントン 個展「JAZZ」より 1992 © Wada Makoto

『グレート・ギャツビー』(訳・村上春樹)装丁 2006 中央公論新社 © Wada Makoto

『「徹子の部屋」の30年』表紙 2007 講談社 © Wada Makoto

『週刊文春』表紙 2017 ©︎ Wada Makoto

和田誠 Photo by YOSHIDA Hiroko © Wada Makoto

仕事場の作業机 Photo by HASHIMOTO Hirotaka © Wada Makoto

 2019年に逝去したイラストレーター、グラフィックデザイナー・和田誠。知っているようで知らなかった和田の膨大な仕事をひも解く展覧会が、東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。

 和田誠は1936年大阪府生まれ。多摩美術大学図案科(現・グラフィックデザイン学科)を卒業後、広告制作会社ライトパブリシティに入社。68年に独立し、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしてだけでなく、映画監督、エッセイ、作詞・作曲など幅広い分野で活躍した。

 たばこ「ハイライト」のデザインや「週刊文春」の表紙イラストレーション、谷川俊太郎との絵本や星新一、丸谷才一など数多くの作家の挿絵や装丁などで広く知られ、報知映画賞新人賞、ブルーリボン賞、文藝春秋漫画賞、菊池寛賞、毎日デザイン賞、講談社エッセイ賞ほか各分野で受賞多数。映画監督、エッセイスト、アニメーション作家、作詞・作曲家、編集者として、いずれのジャンルでも一級の仕事を残し高い評価を得ており、その膨大で多岐にわたる全体像は計り知れない。

 本展は、和田の仕事の全貌に迫る初めての試み。代表的な仕事を中心としたビジュアル年表や、「似顔絵」「ジャケット」「装丁」といった和田の輪郭をとらえるうえで欠くことのできない約30のトピックスを軸に、およそ2800点もの作品や資料を紹介する。和田の多彩な作品を展覧しつつ、幼少期に描いたスケッチなども交え、その創作の源流をたどる。

 会場は、エリック・カール展(PLAY! MUSEUM、東京、2020)などに携わった建築家の張替那麻(Harikae)が構成を担当。展示室では『週刊文春』の表紙の仕事をはじめ、手がけた映画の脚本や絵コンテの展示、CMや子供向け番組のアニメーションの上映も予定している。